今回は、漠然と若い読者を想定して書くことにするが、年齢に大きく依存しない論点もある。また、「自分はまだ若い」(≒先は大いに長い)と思うなら、例えば50代の読者にも当てはまる話だと考えていただいてもいい。
なぜお金を積極的に使ったほうがいいのか
さて、この際、金額的に大きいと思っても、思い切って支出したほうがいいお金の使途について、何があるか考えてみよう。7つ例を挙げる。
① 稼ぐ能力への投資
使ってもいいお金の代表は、自分の稼ぐ能力への投資が有効な場合だろう。大学への進学は、学費に加えて別の訓練や稼ぎに費やす4年間の効果が機会費用であることも考えると、大きな出費だ。しかし、大学のグレードや本人の個性(勉強向きなど)によっては、支出以上に将来の所得を大きく増やす有効な投資だろう。
スポーツ、音楽、芸事などにあって将来トップクラスで稼げるようになることを目指すうえでは、幼少期の投資が有効というよりも必須に近いことも常識だろう。たぶん、そうした投資は、数学や物理学、語学などにあっても同様だろう。ただし「トップを目指す投資」には、目的が達成されない大きなリスクがある。
一般論として、能力への投資は早いほうがいいし、年齢的な「旬」を考える必要がある。身につけた能力を生かす時間が長いほうが、より多くの経済的な回収が期待できる。
例えば、MBA(経営学修士)なら、20代だと大学院によっては価値を持つかもしれないが、30代半ばになってから社会人大学院に通って取得を目指すのでは、回収に使える期間が短いし、履歴書上も「本業の仕事が暇で、会社に不満があった人」くらいにしか見えないことがある。
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