安倍首相「架け橋プロジェクト」の狙いとは? シリコンバレーと日本をどう結ぶのか

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スタートアップアクセラレーターというと、DropboxやAirbnbを育成したYコンビネーターや事業拡大著しい500 startupsが有名です。成功した経営者や投資家のメンタリングなど3カ月程度の育成プログラムと少額の資金提供で、多くのスタートアップを支援し、成長企業を見つけるビジネスモデルで起業家の支援をしています。

企業向け福利厚生サービスで急拡大中のAnyPerk(福山太郎代表)、デザインに優れ機能的な次世代モビリティのWHILL(杉江理代表)など、日本人経営者がこれらのプログラムで企業を成長させた例も出始めています。

この新しい支援策の活用のポイントは、日本の潜在力のある中堅・中小企業で、かつ、シリコンバレーに飛び込んでいって新しいビジネス展開をしようという企業を見つけることができるかということ。たとえば、地域中堅企業で、若手を活用して既存事業から一歩踏み出した新事業を展開しようという企業です。政府関係機関や地方自治体と連携しての企業の掘り起こしが、今後展開される予定です。

シリコンバレーに優秀な起業家を派遣

「ヒトの架け橋」とは、日本のイノベーションを担うキーパーソンの育成事業として、事業経験を有する若手起業家やベンチャー支援人材、大企業で新事業開発を担う人材等を公募・選抜し、国内研修をした上で、優秀な人材をさらに選考してシリコンバレーに派遣し、現地でのベンチャーエコシステムの中でイノベーション創出の力を磨いてもらおうというプロジェクトです。

題して「始動 Next Innovator 2015」。経済産業省の委託により、シリコンバレーと日本で活躍するWiL(World Innovation Lab)とトーマツベンチャーサポートが事業を実施します。

Thinker(考える人)からDoer(行動する人)へ、グローバルに通用するイノベーターの育成を目指し、国内とシリコンバレーの多数のメンターのネットワークで人材育成をします。

国内プログラムでは、ビジネスのフレームワークの「学び」、有力起業家や投資家のメンタリングによる「気づき」、自らの事業計画作成による「主体性」を育成します。

シリコンバレーでは、現地起業家やベンチャーキャピタルとの対話により、先端のイノベーションのスピードとパワーを「体得」します。国内研修で磨いた事業計画をシリコンバレーで現実に活躍中のプレーヤーにぶつけることで、イノベーターとしての実践力を身につけます。

シリコンバレーへの人材派遣や駐在は、従前から実施されていましたが、頼みやすい企業への偏ったアプローチだったり、日本人同士が多くつながりがちでした。しかし、今回の試みでは、現地起業家のコミュニティの中に深く入り込んでの研修となります。また、大企業の新事業開発担当のプログラム参加に関しては、育成した人材が復帰後に新事業を担って動けるよう、送り出し元企業の組織的なコミットを選考時に考慮し、研修の波及効果拡大を狙います。

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