安倍首相「架け橋プロジェクト」の狙いとは? シリコンバレーと日本をどう結ぶのか

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安倍首相は、スピーチの中で、新プロジェクトとして3つの架け橋を打ち出しています。

「制度だけをまねるのではなく、ヒトも、企業も、頭の先から足の先まで、シリコンバレーの文化を余すところなく吸収し、その色に染まりきってもらうのです。日本の素晴らしい技術を持ち、やる気に満ちあふれる優秀な人材に、思い切ってシリコンバレーに飛び込んでもらおう。日本の中堅・中小企業に、シリコンバレーの荒波に漕ぎ出してもらおう。私は、そんな思いで、シリコンバレーの皆さんとともに、新たに、『シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト』を立ち上げたいと思います」 

■企業の「架け橋」
・日本には、世界に誇る技術力を持ちながらも、地域でくすぶっている中堅・中小企業がたくさん存在しています。こうした企業から、5年で200社を選りすぐって、シリコンバレーに送り込み、スタンフォード大学、米日カウンシルの支援の下、一線級の投資家やデザイナーにもまれ、全く新しい会社として生まれ変わることに挑戦してもらいます。
■ヒトの「架け橋」
・ベンチャーに挑戦するヒト、大企業で新事業に挑戦するヒト、ベンチャーへの投資に挑戦するヒトを、毎年100人募集します。この中から、選りすぐりの30人をシリコンバレーに送り、この地の投資家や起業家に企画をぶつけて、世界に通用するか、新たな事業の立ち上げに挑戦してもらいます。
・スタンフォード大学と東京大学、大阪大学、東北大学が提携し、バイオ医療分野において、共同で世界最先端の教育プログラムを作ります。そのプログラムを通じて、この分野のイノベーションを担う人材を育成します。
■機会(チャンス)の「架け橋」
・日米の大企業、中堅・中小企業、ベンチャー企業によるネットワーキングやビジネスマッチングの大規模イベントを、東京とシリコンバレー双方で開催します。日米の国境を越えた事業提携、投資、事業再編(M&A)を大いに進めてまいります。

 

「日本と米国、日本とシリコンバレーの架け橋をより強固なものとして、日米両国の発展と日米の絆の厚みのある深化に貢献できることを願っています」と安倍首相はスピーチを締めくくっています。

それぞれ、詳細をみていきましょう。

企業のグローバル化をお手伝い

「企業の架け橋」とは、現在、シリコンバレーで活発に活動しているスタートアップアクセラレーターのスキームを活用し、デザインや技術力に優れたものを持つ日本の中堅・中小企業のグローバル展開を応援しようという試みです。この話は、もともとはスタンフォード大学のダニエル・オキモト教授を中心とする米日カウンシル(米国と日本の経済人・経営者の懇談会)のメンバーから出たもので、元アップル幹部など日系アメリカ人で現地のビジネスネットワークに深く関わっている人材や、親日家であるジェリー・ヤン氏(ヤフー創業者)らシリコンバレーの有名経営者と連携しつつ、日本企業のグローバル化を応援するスタートアップアクセラレーターのプログラムの新規立ち上げを検討しています。

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