スマホからブラまで「舞台にモノ投げる人」の目的 パフォーマーと観客の境界線があいまいに

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ベベ・レクサは6月のコンサートで、観客がステージに投げたスマホが額にあたり、ケガをした(写真:Backgrid/アフロ)

2023年、コンサートとはいったい何のためにあるのかわからなくなっている。音楽の生演奏を見るために参加するのか?それとも、何らかの形でショーの一部になるため?それとも、バイラル・コンテンツを作るのに最適なセッティングを見つけるため?

コンサートの主役はステージにいるのか、それとも観客の中にいるのか?

少なくともオンラインでは、どちらでもあり得る。その理由の1つは、ステージと観客の間のバリアが、かつてないほど穴だらけになっているからだ。ここ数週間、アーティストに向かって物が飛ばされる事件が相次いでいるが、これはファンが、自分が参加しているパフォーマンスに自分自身を挿入する方法を模索していることの表れだ。

客席からスマホが飛んできてケガ

しかし、ポップ・スターもこれには賢明で、ソーシャルメディアに触発された侵略的な時代には、観客に触れられることが強力なマーケティング・宣伝ツールになることを理解している。

6月、ポップシンガーのビービー・レクサは、客席から飛んできたスマホが額にあたり、目の周りを縫う怪我を負った。加害者とされる男は警察に、スマホを彼女に当てたら「面白いだろう 」と思ったと供述している。

ファンがパフォーマーにスマホを渡し、写真やビデオを撮るように頼むのはよくあることだが、飛んできたスマホは要求であり侮辱だ。コンサートという場であっても、ファンは自分たちがスターをコントロールしているように感じているのであって、その逆ではないということを、しつこく思い起こさせるものだった。

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