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国税庁が乗り出した「タワマン節税規制」の波紋 基準変更で評価額倍増し相続税発生物件も急増

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相続税の評価額と市場価格との乖離を活用したタワマン節税の規制に、国税庁が乗り出した。

川沿いに立ち並ぶタワーマンション
タワマン相続税評価額の計算式が変わる(写真:PIXTA)

特集「相続・登記・空き家 2024年問題」の他の記事を読む

2024年から相続や登記・空き家のルールが激変。1月からは「生前贈与制度」が変更、4月には「相続登記の申請義務化」が始まる。そしてマンション相続税評価額の新算定ルールも導入予定だ。『週刊東洋経済』の8月7日(月)発売号(8月12・19合併号)では、「相続・登記・空き家 2024年問題」を特集。そうした相続関連の2024年問題とその対応策を解説していく。
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富裕層のタワーマンション節税はついに封じられるのか。

国税庁は6月、相続税を算出する基準となるマンション評価額の新たな計算式を公表した。新基準ではマンションの高さや築年数、所在階、敷地持ち分狭小度が考慮されて、評価額が算出される。現在は平均で時価の4割程度にとどまる評価額を6割以上に引き上げ、戸建ての水準とそろえるのが狙いだ。

数百戸規模の大型タワマンは現状、1戸当たりの土地の持ち分が小さいため、相続税における土地の評価額を抑えやすい。また、眺望のよい高層階ほど価格が高く、評価額との乖離が大きい。国税庁によれば、相続税の評価額と市場価格が2.5倍以上も乖離するマンションは4割を超える。

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