「空き巣」が狙わない家が"やっている防犯対策" マンションは高い防犯性を誇るゆえに隙が生まれる

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加えて最近のマンションには最新型のセキュリティシステムが設置されているケースも多い。

例えばピッキング対策・複製防止が施された防犯性の高い鍵やオートロックシステム(非接触キー・生体認証など)が挙げられるだろう。また密室となるエレベーターに関しても、利用者の行き先に応じて運行を制御する行先階制御システムが導入されているなどマンションの防犯システムは高機能化が進んでいる。

マンションでも万全とは言えない

しかし、高い防犯性を誇るマンションであっても、万全とは言えず、隙が生まれやすい。セキュリティの代名詞といえるオートロックシステムであっても過信は禁物である。

例えば、住人や訪問者がロックを開けると同時に、後ろからさりげなく侵入する「共連れ(ともづれ)」や、建物外で電話などをしながら、住人が外に出るタイミングを狙って入る「入れ違え(いれちがえ)」などの手口を用いれば、侵入することは可能だ。

侵入犯罪についてのデータをまとめた警察庁の『住まいる防犯110番』によると、住宅の侵入強盗被害(認知件数)では一戸建て住宅が17.6%、共同住宅(4階建て以上)が9.3%だ。確かに4階建て以上の共同住宅、つまりマンションが一戸建て住宅より少ない傾向にあることがわかる。

一方で共同住宅(3階建以下)では17.6%となり、これは一戸建住宅と変わらない数字となっている。バルコニーやテラス(専用庭)から侵入しやすい1階住戸などは、プラスアルファの防犯対策を練る必要があると言えるだろう。

また、警視庁の発表する東京の犯罪(令和4年版)『強盗の発生状況』では、侵入強盗の発生場所は4階建て以上の住宅で17.8%と発表されている。これはコンビニエンスストアでの強盗発生率と変わらない数字であり、中高層階なら安心できるわけではないことを示す証左でもある。

というのも実は、4階以上の住宅であっても窓・玄関から侵入されてしまう事例が多数発生しているのだ。泥棒や空き巣を働く不審者は、非常階段を使って屋上から、または電柱や雨どいなどをつたっていとも簡単に侵入してくることがわかっている。

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