現在、前出のZMPでは宅配用のDeliRoの実証試験を行う準備を、東京の月島周辺で進めている。
ZMPのWEBサイトでは、「DeliRo(デリロ) は、荷物を入れるボックスを搭載し、自動運転技術を応用した宅配ロボットです」としており、スーパーやコンビニでお米のような重いものを買った場合に、マンションなどの自宅まで運ぶことを用途とし、片道2km・往復4km程度の移動を想定する。
自動ドアやエレベーターを制御するシステムとのデータ共有ができれば、マンションの高層階への宅配も可能だが、ある程度の時間がかかることを考えると、マンションのエントランス前で荷物を引き取ることなどが考えられるという。
また、フードデリバリーでの活用も考えられるが、クーラーやヒーターを併用すると走行用電池を消費することになるため、保冷バックなどで対応できる食べものに限定されるかもしれない。いずれにしても、課題となるのは天候への対応や料金設定だ。
医療や防災にも応用できる可能性
遠隔操作型小型車を使った事業を成立させるには、使用する事業者と周囲のインフラ、そして他のモビリティとのデータ連携が必然となる。
現在のところ、ZMPなどの事業者が独自にクラウド上での管理OSを開発しているが、いわゆる都市OSと呼ばれる社会全体でのデータマネージメントを国としてどのように標準化していくのかが、今後の課題となるだろう。
また、欧米のIT大手が、スマートフォンのシステムにこうしたデータマネージメントのプラットフォーム化を進めてくる可能性も考えられ、それが普及すれば事実上の標準化であるデファクトスタンダードになるかもしれない。
別の視点では、災害時に遠隔操作型小型が通信拠点になったり、搭載バッテリーの標準化によって緊急医療機器で同じバッテリーが使用できたりするなど、防災を視野に入れた技術開発も考えられるはずだ。
まだまだ、具体的な事業の姿がはっきりと見えてこない遠隔操作型小型車だが、社会の中で活躍していくことを期待したい。
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