確かに一品だけでは満腹感に欠け、200円(税抜)という価格も人によっては高く感じるかもしれない。だが、複数の惣菜と一緒に買っても、街中で1000円ランチを食べるより、お財布に優しい。自宅なら、ありあわせの野菜や果物、ゆで卵などを切って一緒に並べるだけで、「たぶん300円くらい」のカフェ風プレートが出来てしまう。そう考えると、意外とコスパもよいのではなかろうか。
低カロリーなので夜の食事としても安心感がある。実際、コンビニでは仕事帰りの時間帯によく売れている。男性の残業メシとしても好評だ。疲れて夜遅くに帰宅したときは、このリゾットをつまみながらワインを飲んで一息、というのもいいかもしれない。
フリーズドライの知られざる長所とは?
ここで改めて、FDが簡単・便利で美味しいワケをおさらいしよう。FDは、約マイナス30度で凍らせ、乾燥機に入れ真空状態にして水分を抜く技術。熱によるダメージが少ないため、作り立ての美味しさが保たれるうえ、栄養成分も損なわれにくいのだという。
同社と滋賀県立大学の共同研究によれば、ビタミンCに関しては、生鮮食品と比較して、ほとんどの食材において含有量は約2割しか減らない。熱風乾燥やレトルト殺菌した加工食品と比べると、その差は歴然だ(表参照)。
また、ブロックタイプの商品は、酸化防止目的でビタミンEは添加しているが、保存料は使用していない。なのに、常温で1年保存が可能。長期保存用は、3年半も保存が可能だ。
しかも、軽い。非常食の備蓄にも使えるではないか。災害時は、火を使えない場合もあるので、水でも戻る「冷や汁の素」や「鶏飯の素」(期間限定商品、各170円、税抜)をストックしておくといいかもしれない。ちなみに、味は落ちるが、味噌汁やにゅうめんなども水で戻るそうだ。シチューなど油脂分が多いものはお湯でないと戻りにくいという。
こうした日本のFD技術は海外でも評価が高い。同社も今、それを意識して動き始めた。「まずは広島県が主催するアジアを中心とした商談会や物産展に参加して、現地での評価や商流について勉強していく」(同社広報)。
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