丸の内キッテで売れまくるリゾットの秘密 フリーズドライはここまできた!

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技術力と並び、同社の成長を支えてきたもうひとつの大きな力は、旺盛なチャレンジ精神だろう。同社は、まだB to Bによる受託加工が主軸だった1993年、自社技術を活かした商品事業体制を作るため、「ABC(Amano Brand Create)」というチームを発足。このプロジェクトで開発されたのが、おかゆシリーズだ。

なんでもフリーズドライにしてやる!

2013年には、さらにニーズに応えるべく、「ABC+開発室」を設立した。「常に驚きと美味しさの感動を伝える先駆者でありたい」という同社。

「なんでもフリーズドライにしてやる!」という意気込みで、昨年は自社通販サイトで「皿うどん」や「土瓶蒸し」などを発表。特に「一人鍋」は大ヒットし、社内でも入手したい人が続出したという。

2013年3月には多くのビジネスパーソンが集まる丸の内のキッテに、冒頭のアンテナショップも構えた。「特に感度の高いOLにファンになってほしかった」と、石原部長。昨年は同店で約7万人が商品を購入したが、実際、来店客の8割が女性だという。

同店は、マーケティング活動の拠点でもある。リゾット開発もここが鍵となった。米飯系市場が伸び、同社でもシニア層におかゆや雑炊が支持される中、同店でシチューやポタージュなどの洋風系FDが売れていたことから、若者向けのリゾットという構想が生まれたのだ。今年3月には、2号店を広島県福山市の本社1階にオープン。このアンテナショップ2店と自社通販サイトでは、限定の「3種のチーズのカレーリゾット」が購入できる。

以前から子どもへの仕送り需要はあったが、最近では子どもが高齢の両親にプレゼントするケースも増えている。筆者も海外に渡る友人に贈ったことがあるが、とても喜ばれた。

平時に、有事に、ギフトにと、活躍の場が広いFDだが、そもそもぶわーんとお湯で戻る瞬間が面白く、筆者は毎度それが楽しみである。未体験の方は、是非お試しあれ!

(撮影:今井康一、梅谷秀司)

佐藤 ちひろ ライター・エディター

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さとう ちひろ / Chihiro Sato

インテリア専門商社にて内装デザインや商品開発リサーチ等を担当後、美容系ECサイトや新聞生活情報面の編集に携わる。独立後は企業取材やライフをテーマにした企画を中心に執筆活動を展開。東洋経済オンラインでは「めちゃ売れ!コスパ最強商品はコレだ」「溺愛される商品にはワケがある」など消費財関連の連載執筆を担当。プライベートでは1児の母。

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