カップ麺「湯戻し時間」二極化している深い背景 55秒から5分まで…背景にコンビニ各社の存在

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以前から「待ち時間は短いほうがいい」という考えはあり、短尺のカップ麺は昔からあったが、短尺すぎると麺が戻りきらず、クオリティー的には厳しかったということだろう。

しかし、今は技術革新によりそれが解決できている。今後は短尺のカップ麺も増えていくのではないか。

「カップ麺の待ち時間が短くて嬉しいという感覚は薄れてきている気はします。ノンフライ麺の5分待ちの商品が受け入れられたからこそ、今、一般的になっているという現実もあります。

一方、スープの温度のことを考えると、待ち時間が短いほうが美味しくなります。55秒と5分だと当然冷め方が全然違うんです。今後、熱いスープで食べてもらうために短尺のカップ麺を開発する流れも考えられそうですね」(野島氏)

ノンフライ麺の技術革新

ノンフライ麺の技術が向上し、長い湯戻し時間の本格派のカップ麺が増えた。コンビニ各社の名店監修商品の開発競争も、そこに影響を与えた。しかしその結果、熱々の状態で食べられる価値が再認識されるようになった。

コンビニ各社が本格志向のカップ麺を開発
この日棚に並んでいた「ねぎどっさり豚骨」と「辛味噌キムチ」は、1分茹で商品だ(筆者撮影)

また他方で、短い湯戻し時間のカップ麺もおいしく食べられるようになってきた。

今後もノンフライ麺の技術が一層革新すればどうなるのか。もしかすると、本格派のカップ麺であっても湯戻し時間が5分から3分に短縮し、熱々のスープでさらに美味しく食べられる。55秒どころか、30秒で食べられるカップ麺も登場する……そんな日が来るのかもしれない。

井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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