8月も続く?「体温超え猛暑」「記録的大雨」の今後 日本を襲う異常気象の原因をわかりやすく解説

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大雨には、梅雨前線だけでなく太平洋高気圧が関係しています。

7月12日の天気図(出典:weathermap)

太平洋高気圧の周辺は、時計回りの風が吹いています。その風に乗って、南から雨雲のもととなる湿った空気が流れ込むことによって、梅雨前線の活動は活発になります。特に、梅雨前線の近くやすぐ南側は雨雲が発達しやすいです。

7月12日は、活発な梅雨前線のすぐ南に位置した北陸で雨が強まり、石川県と富山県に線状降水帯が発生しました。

3時間降水量は、石川県のかほくで176.0mm、富山で109.0mm。ともに観測史上1位です。

大雨の原因「線状降水帯」とは

7月10日は、活発な梅雨前線の影響で、福岡県と大分県に大雨特別警報が発表されました。

福岡県、佐賀県、大分県に線状降水帯が発生し、猛烈な雨が降って大雨災害の危険度が急激に上昇しました。3県では土砂災害、川の氾濫、浸水などが相次ぎ、1週間後の17日時点で9人の死亡が確認されています。

7月10日の雨雲(出典:weathermap)

赤い円で囲まれている部分が、線状降水帯です。

ところで、近年、よく耳にするようになった「線状降水帯」とは、そもそも何でしょう?

気象庁の定義は「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50〜300km程度、幅20〜50km程度の強い降水をともなう雨域」です。

同じ場所に発達した雨雲がかかり続けて、3時間降水量が200ミリを超えるような大雨となります。日本の集中豪雨の半分から3分の2が線状降水帯によるといわれています。

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