【前編】トラブル続出「定年後再雇用」のQ&A 勤務態度悪い社員は再雇用しなくていい?

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定年後再雇用で、企業はさまざまな悩みを抱えています(写真: takeuchi masato /PIXTA)
定年後再雇用にともない、会社と従業員の間でトラブルになるケースが増えています。どんなトラブルが起きているのでしょうか。企業としてはどんな対策をとればよいのでしょうか。『企業実務6月号』を一部抜粋・再構成し、使用者側労務が専門で、労使紛争にくわしい杜若経営法律事務所・パートナー弁護士の岸田鑑彦さんの解説をご紹介します。

高年齢者雇用安定法(以下「高年法」といいます)では、定年が60歳であっても、対象者が希望するときは65歳までの継続雇用措置を使用者に義務付けています。これに加えて法改正(令和3年4月1日施行)により、65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置を講ずることが努力義務として設けられました。

高年齢者の活用が課題になっている

どの企業も新規採用に苦戦するなか、高年齢者の活用が課題となっています。会社としても、定年まで勤務し会社のことをよく知っている高年齢者に、健康でかつ問題社員でなければ、長く働いてもらいたいと考えるでしょう。

しかし高年齢者雇用、特に定年後再雇用においては様々なトラブルが生じています。たとえば、「なぜあの人は再雇用されたのに私は再雇用拒否なのか?」「なぜ業務内容はほとんど変わらないのに、給与がこんなに安くなるのか?」など、再雇用の可否と労働条件をめぐって、紛争になることがあります。

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