【前編】トラブル続出「定年後再雇用」のQ&A 勤務態度悪い社員は再雇用しなくていい?

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【Q-2】

これまで勤務態度に問題はあったものの我慢して60歳定年まで雇用してきた社員がいますが、定年後再雇用はしたくありません。当社では65歳までの定年後再雇用制度があります。どうすれば再雇用せずに済みますか?

【A-2】

再雇用しなくてよい主な場合は、次の3つのケースです。

①本人が再雇用を希望しない場合
②就業規則に定める解雇事由または退職事由に該当する場合
③再雇用の条件が整わなかった場合

労働者が定年後再雇用を希望した場合でも、就業規則に定める解雇事由または退職事由に該当する場合は再雇用を締結する必要はありません。ただし、素行不良や能力不足などの解雇理由である場合、その有効性を立証するハードルは高いといえます。

過去に問題行動があればその時点で解雇されていたはずであり、「解雇されないまま定年を迎えたということは、解雇理由があったとまではいえない」と判断される可能性が高いと思われます。

もっとも、無期転換後に定年を迎えた事案ではあるものの、就業規則の勤務不良に該当するとして再雇用拒否が適法と判断された裁判例もあります(図表の事例①「NHKサービスセンター事件」)。

(※外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

(本書より引用)

定年前の問題行動などを踏まえて提示

実際には、定年前の問題行動(懲戒処分歴)や職務遂行能力等を踏まえて再雇用条件を提示し、交渉した結果として再雇用条件が整わなかった、というほうが説明しやすいと考えます。

【Q-3】

当社では、再雇用後は職務内容にかかわらず、定年前の月額賃金の75%にすることにしています。この条件に納得しない従業員については、再雇用しなくてもよいでしょうか。

【A-3】

実務上は、定年後再雇用の条件をめぐってトラブルになるケースが多くあります。たとえば、「会社が提示した条件は高年法の趣旨を没却する不当な内容だ」「同一労働同一賃金に違反する」などを理由として争われます。

厚生労働省が公表しているQ&Aには、継続雇用後の労働条件について、次のように示されており、必ずしもそれまでの労働条件と同じ条件である必要はありません。

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