吉本興業、「グローカル戦略」は儲かりまっか?

地方と海外の"2正面作戦"で狙う新展開

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昨年10月に開かれたMCIPホールディングスの設立発表会見

住みますアジア芸人のプロジェクトが実際に動き始めたのは2014年10月。吉本興業や電通、イオンモールなど6社は、アジア地域でさまざまな日本コンテンツを創造・発信することを目的に共同で事業運営していくことを発表した。

11月に共同事業運営会社からの出資(計10億円、イオンモールは海外のイオンモールの施設を提供する役割)とクールジャパン機構の出資(10億円)を受け、合弁会社MCIPホールディングスを設立した。

クールジャパン機構の正規名称は「株式会社海外需要開拓支援機構」。文字どおり、日本のコンテンツや食・ファッションなどの海外需要を掘り起こす事業に支援するファンドだ。官民共同のファンドで政府からは300億円、民間から約100億円の計約400億円を出資金とし、海外事業を展開したい企業などに出資している。出資において政府がリスクを取ることで、二の足を踏んでいた国内事業者が海外で展開をしていくきっかけを作る。

ただ、政府出資は補助金ではなく、財政投融資資金から拠出されており、最終的には資金を回収する必要がある。その点では、吉本興業はこれまで、香港の衛星放送局と共同事業を行ったり、台湾では「SUPER GIRLS FESTA」などのイベントや情報発信番組の提供などを行っている。近年はアジアを軸としたビジネス展開を進めており、その実績から将来的に収益を確保できると判断された。

「吉本興業さんは海外で数多くのプロジェクトを展開して土地勘がある。さらに座組みもいい。海外テレビへの参入の糸口を持つ電通をはじめ、ネットでの展開が支えるドワンゴに、タレントなどの人材を供給するSMEや慈慶学園、そして海外のイオンモール店舗で会場の提供が可能なイオン。テレビ、ネット、ライブがうまく合わさっている」(橋本泰・クールジャパン機構マネージングディレクター)

ボーカロイドやアイドル育成も視野

今後はMCIPHDが中心となり、アジアでのエンターテインメントビジネスの展開を図っていくことになる。イベントやテレビなど発信の場を確保しつつ、タレントや芸人も含めたコンテンツのファンを拡大させていく。最終的には、商品化や企業タイアップ、興行などで収益を確保していくことを目論む。共同事業運営会社はそれぞれの得意分野を担当し、放送枠の確保からイベント会場の提供、人材の発掘・派遣などを行っていく。

住みますアジア芸人を手始めに、中国語版ボーカロイド「心華」、アジアアニソンシンガーオーディション(AAA)、アジアに通用する各国混成アイドルの育成・プロデュース、アジアのテレビ局との共同制作による情報番組の立ち上げなどを展開する予定だ。

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