吉本興業、「グローカル戦略」は儲かりまっか?

地方と海外の"2正面作戦"で狙う新展開

3月26日のお披露目ステージで活躍を誓った「住みますアジア芸人」たち。アジア各国で人気を勝ち取れるか。

この中に将来、“世界”でブレークする芸人がいるかもしれない――。4月28日、羽田空港から8組の「住みますアジア芸人」が旅立っていった。すでに渡航済みの1人を加えた総勢13人が今後、アジア各地で日本のエンターテインメントコンテンツを広める伝道師になる。

「住みます芸人」は、吉本興業が日本国内で2011年から始めた「あなたの街に住みますプロジェクト」が原点だ。よしもと所属芸人を47都道府県すべてに1組ずつ配置。実際に芸人が現地に住み、地元のイベントや町内会の祭りへの参加など地域を元気にする活動を行っている。

当初は無名芸人が地方で活躍できるのかという声もあったが、ふたを開けてみれば、地方の芸人需要は意外に高く、イベント出演など引っ張りだこ。現在では、都道府県ごとにある地方の放送局を中心にテレビ90番組、ラジオ69番組でレギュラー出演を果たす。中には地元の観光大使に就任する芸人もおり、地方ではなくてはならない存在だ。

9組13人の芸人が世界に挑戦

この「住みます芸人」をグローバルでも展開していこうというのが、よしもとの基本戦略の1つとなっている。「住みますアジア芸人」は台湾をはじめ、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムに芸人が住み、自ら営業活動を行い、3カ月に1度の定期ライブやストリートライブ、イベントや祭りへの参加をしながら、現地での認知度を上げていく。最終的には、毎年行われる大規模ライブの開催を目指す。

9組13人の芸人には、2年目の若手から21年目のベテランまで多種多彩。ほとんどが現地語を話せず、言語習得はこれからだ。それでも、3月26日に開かれた「島ぜんぶでおーきな祭」(第7回沖縄国際映画祭)でのお披露目ステージでは、それぞれの芸風を武器に現地での活躍を誓った。

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