また、2浪目に河合塾に通うようになったことで、東大志望の友達ができたのも、受験勉強にいい影響を与えたそうです。
「友達ができたおかげで、自分だけではなくてほかの人がどう考えるかも聞けるようになりました。たとえば、入試で『物語やSFが世界に与える影響は?』という国語の文章が出題されたのですが、そういう文を読んでいるとき、人によって思いつく作品が全然違うことが勉強になりました。たとえば僕はアニメ作品の『PSYCHO-PASS サイコパス』を想像するのですが、友達に聞いたらジョージ・オーウェルの小説『1984』を想像したそうです。
また、自分では批判的にしか考えられなかった意見に対して、賛成する視点を持っている友達もいました。賛否両論の視点で物事を見るという水平思考ができるようになったのは、ドイツ旅行で自分の知らない視点を知ること、複数の目線で物事を考える重要性を教わったおかげだと思います」
こうして複数の視点から物事を捉えられるようになった彼は、メキメキ成績を伸ばし、東大模試で4位になるまでに成績をあげます。そしてこの年、ついに彼は無事東京大学文科II類に合格することができました。
受験は人間性で決まる
東大に入学してからの彼は、『ドラゴン桜2』に情報提供を行う東大生チーム「東龍門」を立ち上げ、監修として作品に携わりました。
藤井くんが生まれたのは、先にも述べたように、かつて自身が人の話を聞かず、自分のやり方に固執していた「性格の悪い」経験が大きかったと言います。
そんな「リアル藤井くん」だった彼は、現在、同じような逆転合格を経験した東大生たちと株式会社カルペ・ディエムを立ち上げ、全国の学校に行って講演したり、その内容を出版したりする、まさにリアルでドラゴン桜の世界を普及する活動に魂を燃やしています。
「僕は独りよがりでは何もできないことを浪人生活で学びました。今も東大生と一緒に会社を作って頑張っていますが、衝突することもあります。でも、それはそれでいいと思うんです。2浪していたときと同じように、さまざまな人から多様な話を聞いて、自分の考えもアップデートして、人間として成長していきたいと思います」
「受験は人間性で決まる 自らの人格を磨くことが合格の礎だ」
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『ドラゴン桜2』で桜木先生が藤井くんに投げかけた名ゼリフを体現している彼の人生はまさに、2年の浪人生活がもたらした結晶なのだと思いました。
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