【後編】資産億超え投資家がNTTを永久保有する訳 12期連続の増配実績や、高い組織力が魅力だ

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仮に1株を170円とすると、1万7000円で4500円の還元を5年以上の保有(3月末の権利を6回またぐ必要があり)で受けられることになります。dポイントだけでも4%強、配当を足せば7%程度の利回りが期待できる計算です。こういう条件は、今の株式市場では他にありません。

今後利回りが3.5%になることはそうそうない

なお、近年値上がりの傾向にあるNTTですが、指標的に見ると現在の価格に、そこまで加熱感はありません。どういうことか。前編で触れた、PER(株価収益率)という指標を使って解説しましょう。

PER(株価収益率):株価が1株利益(EPS)の何倍まで買われているかを見る指標。5~10年間の推移を見ることで、その会社の株価が現在「割高か」「割安か」を測ることができる。
 

PERは株価がEPS(1株利益)の何倍まで買われているかを見るもので、株価の割高さ、割安さを測る代表的な指標です。

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NTTの場合、2010年代以降、PER(株価収益率)が10.6~15.6程度で推移してきました。そして、現在のPERは11.0となっています。株価チャートだけを見ると上がりきった印象を覚える人もいるかもしれませんが、指標的にはそこまで過熱感はないのです。

なお、同社はここ10年で株主が4倍に増えているのですが、それでいて今でも過熱感がないのもポイント。それだけ資本配分が優れており、株主還元を意識した経営がなされているということです。

NTTの経営は穴がないため、相場全体が崩れてどんな株でも売られるような相場環境にならない限りは、今後利回りが3.5%になることはそうそうないと思いますが、数年前のストップ安のように突発的な事象が起こらないとも限りません。

配当利回りで言えば3%以上を確保しつつ、可能であれば3.5%~4%程度を確保できれば文句はないでしょう。

(構成:東洋経済オンライン編集部・岡本拓)

(注意書き)本連載では「永久保有に値する」と、著者や登場してくださった個人投資家が考えた銘柄を紹介していきますが、「結果を出している投資家が、どんな考えで、どのタイミングで株を購入しているか」を学ぶことを本質的な目的としています。株式投資にはさまざまなリスクがつきものです。それらを正しく認識したうえで、自分自身の判断と責任に基づいて行ってください。
長期株式投資 「日本の配当株」メインの個人投資家

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ちょうきかぶしきとうし / Choukikabushikitoushi

「日本の配当株」専門の個人投資家。1977年、熊本県生まれ。2004年株式投資を開始。ハイリターン・一攫千金を求め新興市場にて個別銘柄の投資をするも、ライブドアショックで痛すぎる損失を経験。以降、大型株へ投資対象をシフトするが、リーマンショックで含み損が600万円にまで膨らむ。2009年、ポートフォリオを大型配当株メインにスイッチ。以降は安定的に資産を増やし、2022年の税引き後の手取り配当額は282万5128円と過去最高を更新し、運用資産1億円を突破。近年は、19年間の投資生活で磨いた技術やノウハウをTwitterやブログにて発信。2023年3月、長年勤めた会社を早期退職し、オンラインサロンを開設。

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