【後編】資産億超え投資家がNTTを永久保有する訳 12期連続の増配実績や、高い組織力が魅力だ

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(出所:NTT公式サイト

比較対象をあげて考えてみましょう。例えば上場企業の中には、「配当性向30%」などと明言している会社があります。わかりやすく言うと、「1年間で出た利益のうち、30%を配当に充てます」という意味合いです。利益が多く出た年は問題ありませんが、利益が減ると株主への配当額も減る(=減配)可能性があり、配当がなくなる(=無配)こともありえます。

しかし、NTTの場合、12期(今期で13期になる見込み)にわたって「増配」を続けているという、純然たる実績があります。この「増配」というのがポイントであり、株主としては購入時点の株価で、現時点での配当利回りが計算できます。だからこそ、HPでも簡潔な記載で十分なのです。

なぜNTT株が「永久保有に値する」のか

ここまでNTT株について分析してきました。ただ、それでも未来はわからないもの。「本当に保有し続けて大丈夫なのか?」と思う方もいるでしょう。

もちろん未来は不確定ですので、100%絶対大丈夫とは言い切れません。しかし、NTTは現在業界首位で、世界でも有数という座を長年保っている企業です。今後も保ち続ける蓋然性(がいぜんせい)が一定程度あると考えられます。

さらに、同社の場合、ビジネス環境の変化に適応できる組織力も有していると考えられます。これはKDDIにも当てはまる話ですが、両社ともに音声の時代から通信の時代に変わったのを経て、今はプラットフォーマー、通信を核にして音楽動画配信サービスや農業など、幅広くビジネスを展開しています。中核事業に付随するビジネスをいくつも作って、しっかり利益を確保しているイメージです。

上場企業の決算資料を読むと、「セグメント」という言葉が登場します。これは企業が提供するビジネスごとの塊を指す言葉で、NTTの場合、今は「総合ICT事業」「地域通信事業」「グローバル・ソリューション事業」「その他(不動産、エネルギー等)」という、4つのセグメントから成り立っています。

前編で、バブル崩壊で損をした投資家たちが現役だったこともあり、銘柄へのイメージが悪かったというお話をしましたが、音声中心だった昭和~平成初期の頃とは、企業としての実像が大きく変わっているのです。

次ページまた、NTTの場合
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