【後編】資産億超え投資家がNTTを永久保有する訳 12期連続の増配実績や、高い組織力が魅力だ

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楽天はそもそもモバイル事業で利益を上げていないため、私個人としては投資対象外としています。

以上のような理由により、私はNTT株について、「とくに売る理由がないのでそのまま持っている」というスタンスでいます。

前編でお話しした通り、NTT株は国(財務大臣)が株式の3分の1を保有する大株主となっており、過去にあった携帯電話料金の引き下げ圧力など、政治的思惑による影響を受ける可能性は払拭できない面があります。そういう事象はなかなか予想できず、通信料引き下げによる影響で、NTT株は2018年11月に一度ストップ安になっています。そのようなリスクも、NTT株には存在しています。

ただ、それでも私にとってNTTが優良な投資先であることに変わりはありません。また、このような過去を知っていると、焦らずに済むもの。心理面で事前に想定があると、実際に起きた時に冷静な判断ができるものです。

「こういう条件でこういう理由で持つ」と自分の中で決めて、実際にその通りに進めば、永久保有銘柄はほぼほぼ売却する理由がないのです。

実際、NTT株はいつ、どの程度の価格なら買っていい?

オワコン扱いされていた頃と異なり、安定した業績や配当が評価されて、現在では再び評価されるようになってきているNTT株ですが、今年5月に大きなニュースが流れました。7月1日付で、同社の株式が25分割されることが発表されたのです。

そして先日、25分割の効力が発生。1株が170円前後となり、1単元(100株)でも1万7000円から投資できるようになりました。(※その後、株価は162円程度まで下がっています)

「25分割なんて、今後どう株価が動くのかわからない……」

そう思って購入を躊躇している方もいるかもしれませんが、私としては「100株を、家族名義分購入してもいい」と考えています。理由は、株主優待のdポイントにあります。

NTTは以前から、100株以上保有する株主を対象に、2年以上の保有で1500ポイント、5年以上の保有で3000ポイント、dポイントを進呈してきました。1株4000円だった頃の水準では、約40万円かけて得ることができた権利だったのが、25分割後でも、100株の保有で進呈の対象になっているのです。

次ページ仮に1株を170円とすると
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