コロナでも連続大幅黒字!「会員制ホテル」の秘密 決算から見るリゾートトラスト「独り勝ち」の訳
不動産賃貸事業は期間を通じて安定した営業利益を上げていますが、それでも21年3月期、22年3月期のホテル事業における赤字を埋めるには至っていません。
一方、23年3月期はホテル事業も黒字に転換しています。これは、ホテルの稼働率や客単価、レストランや宴会需要の回復が見られたことに加え、ホテルの一部を長期滞在型のサービスアパートメントに改装するといった事業構造改革を行ってきたことが功を奏した結果だといえます。
コロナでも営業黒字のリゾートトラストの決算書
続いて、リゾートトラストの決算書も見てみましょう。
B/Sの左側で最も大きな金額を占めているのは、有形固定資産(1759億円)です。これは、全国各地に展開している「エクシブ」をはじめとしたリゾートホテルの建物や土地が有形固定資産に計上されているためです。
次いで大きいのは、流動資産(1395億3800万円)です。この半分以上を占めているのは、営業貸付金(442億5000万円)と割賦売掛金(331億5500万円)です。これらは、リゾートトラストが新規に開業するリゾートホテルの会員権を販売する際に組まれたローンなどの債権です。
B/Sの右側には、流動負債が1333億5300万円、固定負債が1542億2200万円計上されており、借入金や社債、リース債務といった有利子負債が合計で648億7600万円含まれています。
また、流動負債および固定負債には会員権販売により生じた前受金や長期預り保証金なども計上されています。純資産は1068億3200万円で、自己資本比率は約27%です。
P/Lには、売上高が1577億8200万円計上されている一方、売上原価は224億5300万円、販管費は1266億3600万円となっています。
営業利益は86億9300万円で、売上高営業利益率は約6%です。
先に述べたように、コロナ禍にあってもリゾートトラストは営業利益を上げることに成功しています。その要因とは何なのでしょうか?
リゾートトラストがコロナ禍でも営業利益を出すことに成功した理由を解き明かすカギは、事業別営業利益の推移にあります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら