逆風の100均業界、セリア「驚異の利益率11%」の訳 「薄利多売ビジネス」でもしっかり儲ける仕組み
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高い売上高営業利益率を上げることが難しいとされる100均業界で、セリアは急激に利益率を伸ばしている。
薄利多売の厳しい業態で、セリアはなぜ利益を上げることができているのだろうか?
素朴な疑問からスタートし、決算書に隠された刺激的なドラマをあぶり出す、会計知識ゼロでも文句なしにおもしろい決算書分析が好評を博している中京大学教授の矢部謙介氏。
41社の注目企業のビジネスモデルと決算書を分析する矢部氏の新刊『決算書×ビジネスモデル大全』は、発売後わずか1週間で重版するなど、大きな話題を呼んでいる。
そんな矢部氏が、100円ショップ特有のビジネスモデルと決算書の特徴を、セリアとワッツの事例を取り上げ解説する。
「ワニの口」のように開く営業利益率の差
薄利多売で知られる100均業界で、近年いっきに収益性を上げている企業があります。それが売上高業界第2位のセリア(Seria)です。
セリアの売上高営業利益率は2010年3月期以降上昇を続け、2021年3月期には11%に達しています。
一方、業界第4位のワッツ(Watts)の売上高営業利益率は2010年8月期以降も大きな変化はなく、2021年8月期においても3%前後にとどまっている状況です。
一般に、100均業界は100円という安値で大量の商品を販売するというビジネスモデルのため、高い収益性を維持するのは難しいとされています。
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