ポルノ新藤晴一、48歳でダメ出しされて学んだこと 「言われた瞬間は、かなり落ち込みましたよ」

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新藤:僕がバンドを始めたきっかけは、どうしてもギターが弾きたかった訳ではなくて、純粋に仲間と一緒に楽しめる音楽を作りたいと思ったことでした。僕は歌が上手じゃなかったので、ギターを手にしたという感じで、活動がスタートしたんです。

現代では、1人で音楽を作ることができる環境ではありますが、僕は誰かとワイワイしながら音楽を作ることが大好きで、それはミュージカルに関しても同様です。だから、お互いいいと思った部分は褒めあい、また納得のいかない部分があるときはとことん話す。その気持ちで、演者のみなさんとも向きあいたいという姿勢を持って接しています。

── 何か、アドバイスをすることはあるのですか?

新藤:ポルノグラフィティは長く活動をしているので、お互いの気持ちはなんとなく通じあっているから、日常的に褒めあう機会が少なくなってきましたが、今回のミュージカルでは初対面の方がほとんどなので、お互いに刺激を受けあいながら、いいものに仕上げていきたいなと思います。

役割として通さなくてはいけないエゴもあるけれど

── また舞台演出や衣装なども楽しみですが、そういったスタッフの方々とのやりとりで気をつけていることはありますか?

新藤:今回のミュージカルに参加していただく方は、みなさんそれぞれの分野でプロフェッショナル。こちらである程度のあらすじは説明しますが、それ以降は基本みなさんのアイデアにお任せしたいと思っています。僕は、ライヴでもそうなのですが、楽曲がより良くなるものを追求したいタイプなので、作品がすばらしいものになるのならば、それぞれがどんどん表現したいものを取り入れていただけたら。また、それによって自分でも想像しなかった奥行きが出せる気がしますし。

── でしたら、完成がますます楽しみになってきますね。

新藤:自分も完成したものを観たら、絶対に泣いちゃうだろうなって思います(笑)。

── でも、ここはどうしても譲れない思う部分が発生した場合は、どのように対処されるのですか?

新藤:たくさんの方々が関わってくださる作品で、自分だけがエゴを通すのは違うと思っていて。もちろん、原案を担当している役割として通さなくてはいけないエゴもある。その線引きというかバランスは、難しい部分ではあります。でも、そのバランス感覚はバンド活動を長く続けてきたおかげで、漠然とつかめている部分があるのかなって。

ライヴにおいても、自分で調整できる部分と、例えば実際に会場で響く音は自分で生で聴くことはできないため、PAさんとかその分野に長けている人にしかわからない部分がありますから、そこはお任せしなくてはいけないし。自分たちがどういうライヴをしたいのかという方向性さえ示せたら、それ以上のことは要請しませんね。

(写真:トヨダリョウ)
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