ポルノ新藤晴一、48歳でダメ出しされて学んだこと 「言われた瞬間は、かなり落ち込みましたよ」
「アゲハ蝶」や「サウダージ」など、時代を超えて親しまれている名曲の数々を生み出している、ポルノグラフィティのギタリストであり作詞/作曲家、ソロとしては音楽活動だけでなく小説を上梓するなど、多方面で才能を発揮している、新藤晴一さん。
この夏には、自身がプロデュース、原案、作詞/作曲を手がけた初のミュージカル作品『ヴァグラント』が上演される。デビューから25周年、現在48歳を迎えた新藤さんが、この時期に新たなキャリアに取り組む理由。
また、制作の過程で生まれた葛藤とどのように向きあっているのか、それを乗り越えた先にある「カッコよさ」の頂点を伺ってみた。
やりたいことがあり、できる環境があるのだからやるしかない
── 新藤さんが今回ミュージカル『ヴァグラント』を制作することになった経緯を教えてください。
新藤晴一さん(以下:新藤):以前からミュージカルや舞台を観るのが好きでしたが、自分が表現しているエンターテインメントとは異なる分野じゃないかと考えていました。でも、2019年に訪れたロンドンの劇場でミュージカル『メリー・ポピンズ』を観て、「やっぱり面白いし、自分でも作ってみたい」という思いが強くなりました。
幸いなことに、これまで自分は作詞や作曲をやってきましたし、小説も執筆している。また、周囲には舞台に関して相談、サポートしていただける方がたくさんいらっしゃるので、この環境を利用しないのは、どこか自分がサボっているような気がしたんです。
── 今回、ミュージカルに登場する楽曲は、新藤さんの書き下ろしのもので構成。いつもの楽曲制作と異なる部分はありましたか?
新藤:ポルノグラフィティとして追求する音楽とは違い、物語が呼ぶ音楽を作りたいと感じて取り組んだ結果、今まで作ってこなかった音楽ができたのは面白かったです。今後の表現にもいい意味でつながったなと思います。ただ、作らなくてはいけない楽曲の数の多さにはちょっと怯みましたが(苦笑)。