ポルノ新藤晴一、48歳でダメ出しされて学んだこと 「言われた瞬間は、かなり落ち込みましたよ」
新藤:リプライズを含めると、全部で20曲以上ですね。
── そのボリュームを、どれくらいの時間をかけて制作されたのですか?
新藤:最初にミュージカルを作りたいという話をさせていただき、そこからはまず物語を作るのに1年半くらいかかりまして、それ以降で制作したという感じです。
── どんな準備をされたのですか?
新藤:まず、自分がどういうものを作りたいのかを、1幕分だけストーリー案を、脚本と演出を担当してくださる板垣恭一さんの元に持って行くことからのスタートでした。最初に見せたときは「人気ミュージシャンの方にお伝えするのは申し訳ないけど、全然ダメだ」と言われてしまい……。
板垣さんは、演劇・舞台に対する熱意がある方なので、完璧なものを追求される方。だから、ミュージカルの構造をゼロから教わることからの始まりになったんです。結果、自分のアイデアを大切にしていただきながらも、当初提出したものとはまったく異なる、ミュージカルとして成立する内容になりました。さすがだなと思いましたね。
ダメ出しされた瞬間はかなり落ち込みました
── キャリアを重ねると、アドバイスを与える機会が増えますが、逆に受けることが少なくなってくると思います。ダメ出しは柔軟に受け入れられましたか?
新藤:それを言われた瞬間は、かなり落ち込みましたよ。あんな言い方しなくてもいいのにって思ったくらい(苦笑)。でも、その後、僕にミュージカルとはどのように成立しているのかということを、熱心かつわかりやすく教えてくださりました。だから、レクチャーを受けていくごとに、腹立たしさよりも興味深さの方が強くなっていって、気づいたらミュージカルの世界に没頭していました。
── また、今回の舞台にはたくさんの若い世代の方々が出演されます。先日開催された『日比谷フェスティバル』(NESPRESSO presents Hibiya Festival 2023)でのステップ・ショーでは、それらの役者さんたちも登場して、すでに和気藹々とした雰囲気が生まれていました。どういうふうに風通しのいい関係を築いていかれたのでしょう?