東大生語る「東大合格する子」の凄い"言い換え力" 難しい言葉を理解するには語彙力が必要だ

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結局、先生の言っていることをコピーアンドペーストしても、ただ丸暗記しているにすぎません。実際にはどういうものなのかを理解しないままでノートに書き写すことになってしまうと、なんの意味もない無駄な時間を過ごすことになってしまうのです。

例えば最近、こんなことがありました。僕が「将校がこんな事件を起こした」と日本史の説明をしたあとで、学生たちに「自分で説明してみて」とお願いしたんです。そしたら、「えっと、将校って人が、こんな事件を起こしたんですよね」と言い出しました。「将校が」というのを人名だと捉えてしまったわけですね。

みなさんはこの話を聞いて笑ってしまうかもしれませんが、確かによく考えてみると、「将校」って結構難しい語彙ですし、探したら「将校」という名前の人もいそうですよね。こんなふうに、言葉をしっかり理解していないと、簡単に解釈を間違えてしまいますし、本や人の話をコピーアンドペーストするだけでは全然理解できていないことも多々あります。

だからこそ、語彙力が重要だと言えます。

語彙力は重要なのに、あまり重要視されていない

語彙の勉強って、国語の授業で体系的に教えてくれるわけでもないですし、各科目の語彙力なんて「持っていて当たり前」として学校でも参考書でも扱われてしまいます。

でも、「方程式」とは何かを教えてもらっていないままで数学の勉強が始まってもあまり理解できないですし、「較差」とは何かを習っていない状態で地理や地学の勉強をしても、よくわからない状態で勉強することになってしまいます。

語彙力の勉強は大事なのにもかかわらず、あまりそれが認知されていない。これは1つ、大きな問題なのではないかと僕は思っています。

それが国語以外の科目であったとしても、語彙力があると、頭に入ってきて物事を覚えやすくなるということはやっぱりあるんですよね。

ちなみにこれは僕の体感的な話ですが、頭のいい人って、言葉のチョイスが絶妙です。僕らがふだん使い分けていない言葉も使い分けています。

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