相手に「話を聞いてもらえない人」の話し方の特徴 自分の話を押し通そうとしていませんか

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一方、相談であれば、相手は「アドバイスをする」という姿勢になります。そして、アドバイスをするために、あなたの話を聞いてくれます。あなたが何を考えているのか。そこにはどんな理由があり、どんな論理構成なのか。その理由に違和感はないか。論理に矛盾は含まれていないか。そもそも、モレている前提知識が存在しないか。そういうことを考えるモードになります。

もちろん、連絡も大切です。情報をこまめに伝えていくことで、信頼を築けます。進捗が思わしくないとか、何か問題が起こりそうだとか、そういうネガティブな情報も積極的に伝えましょう。そうすることで相手が「知らない」「聞いていない」と言えなくなります。言い方は悪いかもしれませんが、一種の「共犯者」になり、仲間として、共に問題に立ち向かってくれるようになります。

報告をしないといけないタイミング

とはいえ、仕事においては、連絡や相談だけでなく、報告をしないといけないタイミングがもちろんあります。ただし、仕事上のコミュニケーションであれば、多くの場合、報告を行うタイミングは数日~数週間先になります。

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何かを依頼されたり、何かの仕事をすると宣言してから、何日間も何の連絡もなかったら、上司や先輩はどのように感じるでしょうか。おそらくは「ちゃんと問題なく進んでいるのだろうか」「もしかしたら、忘れてしまっているのではないか」と不安な気持ちを抱えることになります。

ですから、そうなる前に相手に情報を渡すのです。できるだけ早いタイミングがいいでしょう。また、1回だけで終わらず、複数回、連絡や相談を行うことをおすすめします。もし可能ならば、定期的に相談する時間を、あらかじめ確保しておくのも良案です。

進み具合が順調であっても、そうでなくても、定期的に情報が入ってくれば、上司や先輩は安心します。何か問題があったならば、早いタイミングで方向修正を指示することもできます。

田中 耕比古 ギックス取締役、共同創業者

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たなか たがひこ / Tagahiko Tanaka

1977年生まれ。2000年、関西学院大学総合政策学部卒業。商社系SI企業に入社。
2004年、アクセンチュア株式会社戦略グループ入社。幅広い領域での戦略コンサルティングプロジェクトに参画。2011年、日本IBM株式会社入社。ビッグデータのビジネス活用を推進。2012年、株式会社ギックス設立。取締役に就任。2022年3月、東証マザーズ(現グロース)に新規上場。著書に『一番伝わる説明の順番)』、『仕事の「質」と「スピード」が上がる仕事の順番』など

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