「どうしても100歳まで生きたい」人に説いた言葉 人生の悩みに向き合うための道しるべとなる「寓話」

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「長寿と老い」にまつわる寓話を紹介します(写真:Fast&Slow/PIXTA)
「寓話」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか? もしかすると、古めかしくて難しい教訓話というイメージがあるかもしれません。実は、古今東西語り継がれる数々の寓話の中には、私たち現代人があらゆる「人生の悩み」に向き合うための〈道しるべ〉となるものがたくさんあります。
本稿では『人生の道しるべになる 座右の寓話』より一部抜粋し再構成のうえ、「長寿と老い」にまつわる寓話をご紹介します。

長寿は目的ではなく結果

■100歳まで生きる方法

ある時、お金持ちの老人が、良寛和尚(1757~1831年)のもとを訪れ、神妙な顔で尋ねた。
「私は今、80歳です。お金は十分にあるし、もう何をしたいということもありません。ただ、1つだけ自分の力ではどうしても叶わぬことがあります。何としても100歳まで生きていたいのです。何か良い工夫があったら教えていただきたい」
良寛和尚は「何かと思えばたやすいご用だ」とにこにこしながら答えた。
そして「もう100歳まで生きたと思いなさい。そうすれば100歳まで生きたことになるのだ。そう思って一日生きれば、一日儲かったことになる。こんなうまい話はない」と言って大きな声で笑った。
老人は自分の欲の深さを悟り、その日その日を楽しく、有意義に送るようになった。
未来のために今を犠牲にしない

お金持ちの老人にとって、100歳まで生きることが最大の目標だった。したがって、その目標が達成できるのならば、どんなに好きなことでも我慢するし、逆にどんなに嫌なことでもするという気持ちだったのだろう。

良寛和尚から「もう100歳まで生きたと思いなさい」と諭された老人は、自分の最大の目標が達成されたのだから「100歳まで何としても生きるんだ!」というとらわれから自由になった。

それは「未来のために今を犠牲にする」という姿勢から「今を生きる」という姿勢への転換だった。長寿は目的ではなく結果だということを教えてくれる話である。

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