「ロリータ服」をコスプレと思う人に欠けた視点 じつは日本発の奥深いファッションスタイル
●ゴシックロリータ……ロリータにゴシックの思想をかけ合わせたスタイルで「ゴスロリ」とも呼ばれる。黒をベースに、退廃的な雰囲気の漂うデザインが特徴。ヴィジュアル系バンドや、そのファンにも愛好家が多い。漫画『DEATH NOTE』でミサミサが着ているのがこちら。
●和ロリータ……通称「和ロリ」。ロリータに日本の伝統的な着物や浴衣のテイストを加えた、和風スタイル。正月や祭りなど、日本の伝統行事の際にも好まれる。
●ソフトロリータ(カジュアルロリータ)……基本のロリータを、装飾をひかえめにするなどカジュアルダウンさせたスタイル。仕事や学校の都合上、ロリータファッションを着づらいと感じる人にも人気。
などなど多種多彩。また、ロリータとパンクをかけ合わせた「パンクロリータ」など、かつて人気を博しながらも、今ではあまり見かけなくなってしまったスタイルもあります。ロリータも、時代の栄枯盛衰からは逃れられません。
しかしいずれも、ロリータを着る人たちそれぞれにとっての〝カワイイ〞を追求した結果、広がっていった世界です。街でロリータファッションを見かけたら、どのカテゴリーに属するか、心の中で分類するという楽しみ方もあるかも……?
なぜ、ロリータモデルは笑わないのか?
もし、これまでロリータと縁遠かった方がロリータ服を扱うメゾンのサイトにアクセスしたら、きっと見慣れたファッションページとは少々違って見えるはず。そこに映るロリータモデルたちは、カメラ目線で歯を見せて笑ってはいないでしょう。むしろ、伏し目がちでごくひかえめに微笑みながら、シンプルにたたずんでいるのではないでしょうか。
モデルなのに笑わないの? →私たちロリータは「人形(ドール)に近づく」ことこそが至上命題。できるだけ生々しさから遠ざかることが重要です。そのため、いわゆるファッションモデルとはかなり違う独自性をもっているのです。
そんなロリータモデルのひとりとして私が重視しているポイントは、まず、やせすぎないこと。メリハリボディ、胸が大きくてセクシーといった〝大人の女性らしさ〞という意味ではなくて、ちょっとおなかが出ているくらいの丸みを帯びたボディラインのほうが、ロリータ服のもつふんわりとしたイメージに合うと思うのですが、いかがでしょう?