「ロリータ服」をコスプレと思う人に欠けた視点 じつは日本発の奥深いファッションスタイル

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ロリータを愛する人たちにとっては長らく、肩身のせまい時期が続きました。けれどこの数年、世間では〝多様性〞が求められる影響もあってか、ロリータの魅力が再び評価されつつあります。ロリータの誕生からずっとともに歩んできた私にとっては、やっとおもしろい時代がきた!という感じです。

それと、よく混同されがちな誤解について。「ロリータ」と「コスプレ」は、まったくの別物です。一般的にコスプレのほうが有名なので、ロリータファッションで街を歩くとコスプレだとみなされがち。

ですが、コスプレはキャラクターになりきるためのもので、ロリータは自分自身のファッション表現。マリー・アントワネットのような衣装にあこがれてロリータ服を着たとしても、マリー・アントワネットそのものになりたいわけではないので、互いの目的の違いを知っていただけるとうれしいです。

甘ロリ、和ロリ…… 奥深いロリータの世界

ロリータファッションの本質は「お姫さまみたいに美しくなりたい」「お人形のようにかわいくなりたい」という〝自分〞のために着ることにあります。そのため、基本となる少女趣味なスタイルに、さまざまな解釈を加えることでさまざまな個性が生まれました。

だからひと口に「ロリータファッション」といっても、細かくみれば複数のカテゴリーに分けられます。おもなスタイルだけでも、

●スウィートロリータ……「甘ロリ」とも呼ばれる。アニマルやスイーツをモチーフにした、甘い雰囲気のかわいらしいスタイル。ロリータファッションとして、一般にイメージされることが多いのがこちら。

●姫ロリータ……通称「姫ロリ」。マリー・アントワネットのような、ゴージャスでデコラティブなスタイル。レースやチュールをふんだんに使ったドレスに、特大のボンネットや最大数のパニエなど、小物もたっぷりとつける。最上級のロリータという位置づけで、ファッションショーではランウェイのラストを飾ることも。

●クラシカルロリータ……ロココ風など、ヨーロッパの伝統的なスタイルをアレンジ。上品な小花柄や、落ち着いた色合いが特徴。

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