観葉植物をすぐ枯らしてしまう人が知らない真実 本来の生命力引き出す植物ケアで100年生きる

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そもそも「観葉植物」と聞いて、どんな品種を思い浮かべますか?

パキラやガジュマル、最近では多肉植物やエアプランツなど、人によって多種多様ではないでしょうか。

実は植物店によってもその解釈はさまざまですし、インターネットの情報も千差万別です。「観葉植物」という呼び方は定着しているのにもかかわらず、世間一般の共通認識はありそうでないのが実態です。

そこで、まずは観葉植物を定義することから始めます。

なぜわざわざ定義が必要なのか? 「ケア」を重視したいからです。

観葉植物の品種を見極めることが肝要

本来持つ生命力を全うすれは、観葉植物は人よりも長生きします。100年生きるには正しいケアが不可欠で、最適なケアを追い求めると専門分化は避けられません。犬と猫と鳥と爬虫類はそれぞれがまったく異なる生き物であるように、亜熱帯性植物(ゴムノキなど)と熱帯性植物(ブロメリアなど)、多肉植物(サボテンなど)、着生植物(ビカクシダなど)は似て非なる植物だからです。

『プランツケア』(サンマーク出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

僕は観葉植物を「亜熱帯性植物」と定義しています。品種で言うと、ゴムノキ・パキラ・ガジュマル・ポトス・サンセベリア・モンステラなどをさします。「亜熱帯」とは一般的に熱帯と温帯の間をさします。高温の夏と穏やかな冬、年間通して10〜30度程度の気温です。イメージとしては沖縄や台湾など、暑過ぎず寒過ぎない地域を想像してください。

観葉植物は室内で育ちます。お庭やベランダは不要ですし、部屋の大小や戸建て・集合住宅などの形態も問いません。老若男女を限定せず、大掛かりな力仕事も不要です。

さらには観賞の目的が葉や枝なので、花や実をつけるための難しい栄養管理も専門知識も不要です。すべての人にとって最も普遍的な園芸、言い換えると、人間の暮らしに最適化した植物が「観葉植物」なのです。

「プランツケア」の目的は、お気入りの観葉植物を枯らさずに、長く一緒に暮らしていくことです。そのためには適した品種があるのです。

川原 伸晃 園芸家、いけばな花材専門店四代目

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かわはら のぶあき / Nobuaki Kawahara

1981年東京都生まれ。オランダ最大の園芸アカデミー Wellant College European Floristry 修了。2005年、観葉植物専門店「REN」を立ち上げチーフデザイナーに。2010年、経済産業省主催のデザイナー国外派遣事業に花卉園芸界の日本代表として選出される。2011年、花卉園芸界のデザイナーとして史上初めてグッドデザイン賞を受賞。 REN開業時から植物との持続可能な暮らしのサポートを掲げ、購入した植物のアフターケアに取り組んでいる。健康診断や出張、引越し対応、ホテルなど、ご利用者のライフスタイルに合わせたきめ細かなサービスを「プランツケア®」として提供している。

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