観葉植物をすぐ枯らしてしまう人が知らない真実 本来の生命力引き出す植物ケアで100年生きる

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原因は「土」にあります。多くの場合、プラ鉢の土には用土の肥沃さを表す「腐植」がほぼ含まれていないため、植物は本来持つ生命力を発揮できません。「観葉植物は数年で枯れる」と誤解されている最大の原因がここにあります。植物が本来持つ生命力を発揮できないように「リミッター」がかけられている状態です。

長寿の鍵をにぎるフカフカな土(写真:片桐圭<リンガフランカ>)

また、長く育てているとあらゆる疑問や不安にもぶつかります。

「最近、よく葉が落ちるけど何が原因かわからない」

「大きくなってきたけど、植え替えたほうがいいのかな?」

「鉢を置くとなぜか枯れてしまう場所がある……」

今まで多くの園芸店は「植物を売るプロ」であって「植物をケアするプロ」ではありませんでした。ペット産業にたとえるならば、ペットショップはあるのにペットクリニックがない。園芸業界では、そんないびつな構造が常態化していました。その結果、観葉植物は「ケア」する対象ではなく、一般的には「枯れたら処分する」消費対象として普及したように思います。この状況への違和感から、業界初の植物ケアサービス「プランツケア」の提供を始めました。

「サボテンすら枯らす人」が揶揄にならないわけ

植物を育てることが不得手な人に対して、よく「サボテンすら枯らす人」と揶揄する光景を目にします。本人が自虐的に言う場合も多いですよね。しかし実はこれ、まったく揶揄になっていません。なぜなら日本で多肉植物を育てることは簡単ではないからです。

植物管理の基本は、自生地を想像して生まれ育った環境に近づけることです。

それを念頭に置けば、乾燥地帯で生まれ育った多肉植物を日本で上手に育てるのは、いかにハードルが高いか想像がつくかと思います。犬でたとえてみましょう。中東の人々がモフモフの秋田犬を砂漠で飼育する困難さを想像してください。珍しく魅力的な品種だと感じるほど、その植物ははるか遠くの異国からやってきていて、日本の環境には適合しにくい品種です。

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