「若者に嫌われる企業」がついやりがちなNG質問 就職差別企業は、採用氷河期を生き残れない
しかし、日本労働組合総連合会が5月31日に発表した「就職差別に関する調査2023」によると、採用活動の現場で不適切な質問が繰り返されていることがわかった。上記の質問に関連した項目を確認してみよう。
応募書類やエントリーシートで記入を求められた割合:37.2%
採用試験の面接で質問された割合:37.7%
応募書類やエントリーシートで記入を求められた割合:43.6%
採用試験の面接で質問された割合:28.3%
応募書類やエントリーシートで記入を求められた割合:20.4%
採用試験の面接で質問された割合:15.2%
人権に関する意識が高まる中、またここ数年、就活に関するハラスメント行為が問題となる中、絶句する調査結果だ。もちろん、設問により選考で問われた割合は異なるものの、令和の時代において、選考でいまだにこのような質問がされていることに驚く。
なぜ、面接官は不適切質問をしてしまうのか?
なぜ、面接官は“不適切質問”をしてしまうのか? 注目したいのが、この連合の調査における不適切質問の出現率は、設問によっては書類選考よりも面接において多く発生している。ここがポイントだ。
書類選考において、エントリーシートなどの要件は主に人事部の採用担当者が決める。人事部の視点で不適切な質問がないかチェックが行われる。しかも、書類は証拠が残る。不適切な質問をしていることが証明されやすい。大学のキャリアセンターなどに相談が入る可能性もある。
これに対して、面接は人事部だけでなく、現場の社員も動員される。面接官には研修が実施されるのだが、必ずしも徹底されない。人事部は、社内に人権啓発を行うミッションを担っている。しかし、現場の面接官には必ずしも浸透していない。そのため、面接官が悪気なく、極めて普段どおりに、採用面接の現場では面接官から不適切発言をする可能性がある。問題だという意識すらないのである。
中には、本人を深く知るため、会社や職場とのミスマッチ防止という意味で聞いていることもある。たとえば、「尊敬する人物」に関しては、質問する側からすると「思想・信条」という意図はなく、価値観や、どのように成長してきたかを問う質問だと位置づけている可能性がある。
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