「小中学校通わず」2浪で東京藝大に進んだ彼の選択 周りと違う生き方を選んだ理由、現在の活動

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そして同時期には、自分の人生を決定づけることになったある曲とも出合います。

「坂本龍一さんの『Merry Christmas Mr.Lawrence』を聴いたんです。この作品を聴いて、自分はやっぱり音楽が好きで、その中でも「聴く」ことに対する関心が強いんだと気づきました。また、それと同時に自分の中で、何かを形にしていくことに挑戦してみたいという気持ちも生まれつつあったので、いろいろ調べて、坂本さんが卒業している、東京藝術大学を受験することを決めました」

藝大受験に関する情報もほぼない状況だった

こうして、横浜の通信制高校に通い始めた内田さん。しかし、周囲に藝大出身者もおらず、受験に関する情報もほとんどない状態からのスタートだったので、前途多難だったそうです。

「美大の予備校はいくつかあるのですが、音楽の場合、そういった大きな予備校がありません。なので、2次試験のために個人で実技指導をしていただける先生を探さないといけないんです。私はそういうつながりがあまりなかったので、自分でネットで調べて、ありがたいことに藝大出身の作曲家の先生にご指導いただけることになりました」

こうして音楽の実技指導をしてもらえる先生が見つかり、指導を受けつつ高校に通っているうちに内田さんは3年生になり、試験本番を迎えます。

※藝大の作曲科の試験は4次試験まであり、すべての試験が終わってから筆記を含む総合的な判定が出る仕組みです。
筆記試験:国語、英語(音楽学部作曲科)
2次試験(計4回):3回の作曲の試験と、音楽の基礎的な能力の試験・面接

「藝大の作曲科は、西洋音楽の文脈で芸術作品としての新しい価値を追求する、現代音楽を作る人を育てる場所です。また、そうした作品を作るためには、これまでの音楽の歴史や、伝統をよく学んでおくことが、大切だと考えられていました。なので、入試においては、幅広い作曲技法をきちんと身につけているかどうかが問われています」

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