遺伝性疾患だらけ「ミックス犬姉妹」背負った運命 人気犬種ランキング入りも、悪徳業者が絶えず
違う純血犬種同士を交配するミックス犬は、異なる遺伝子情報が入るので遺伝子の多様性が増すメリットはありますが、遺伝性の疾患の因子が消えるわけではありません。両親犬のいずれかでも何らかの遺伝性疾患を持っていれば、その遺伝子を子犬たちが引き継いでしまう可能性があります。
そのため、ブリーダーがしっかりと両親犬の遺伝性疾患の知識を持ち、DNA、レントゲン、エコーなどの必要な検査を行い、問題のない犬同士を交配することで、子犬の遺伝性疾患の発症をできる限り防ぐことが大切なのです。
遺伝性疾患を見て見ぬふり
「ミックス犬は血統が交わることがないので健康だ」と、根拠のない主張をしたり、「ミックス犬は遺伝子検査ができないので、販売時に判明することはない」と高を括って、遺伝性疾患を見て見ぬふりする悪徳ブリーダーがいます。逃げ道の多いミックス犬を繁殖し、利益を追求しているわけです。
たかちゃんが発症したパテラは、遺伝的な影響が強く関与することがわかっています。
アニコム損害保険と理化学研究所の共同研究チームが、獣医学雑誌『The Journal of Veterinary Medical Science』で発表した研究結果によると、日本における人気の9犬種(トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフント、柴、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、マルチーズ、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー)計2048頭の子犬(0歳齢)のパテラの有病率は、トイ・プードルがトップの14.4%。約7頭に1頭が発病していました。
また、発症した子犬のきょうだい犬が発症するリスクは、発症したきょうだい犬がいない場合に比べて16.2%も高いという結果でした。
遺伝的な影響が強いことが明らかなため、交配する前に両親犬やその血統ラインの中に発症した犬がいないかどうか、発症はしていなくても両親犬の膝蓋骨に問題はないかを確認してから交配することが重要なのです。
そして、姉妹が共に発症した僧帽弁閉鎖不全症は、はっきりとした原因は不明とされていますが、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの場合は遺伝的に発症しやすく、4歳という若年齢で60%もの発症があるとされています。
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