遺伝性疾患だらけ「ミックス犬姉妹」背負った運命 人気犬種ランキング入りも、悪徳業者が絶えず

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、2歳でトイ・プードルに好発するパテラ(膝蓋骨脱臼)も発症。生まれたときから膝の関節を覆う筋肉や骨の形などに異常があり、それが原因で脱臼を起こしていると診断されました。脱臼すると違和感や痛みを伴うため、たかちゃんは足を引きずりながら歩いていました。

9歳になった頃、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに好発する僧帽弁閉鎖不全症を、ほぼ同じ時期に姉妹で発症しました。これは心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁がもろくなり、血液循環が悪くなることで心臓が弱ってしまう病気です。

初期症状はほとんどなく、進行するとハアハアと苦しそうな呼吸をし、こもった咳がたびたび出るようになります。

姉妹の場合は急速に病状が進行、診察を受けたときにはすでに外科的治療が難しく、1日2回の投薬と週1回の注射を続けて、何とか今の状態を維持しています。

特にのぶちゃんの病状が悪く、獣医師からは「いつ心臓が止まってもおかしくない状態なので、覚悟はしておいてください」と言われています。たかちゃんも病状が不安定で、一進一退の状況です。

失明する遺伝性疾患にも罹患

姉妹が11歳になった頃、追い打ちをかけるようにPRA(進行性網膜萎縮症)を発症しました。PRAは網膜が徐々に薄くなることで光を感知できなくなり、最終的に失明する疾患です。

また、遺伝性白内障も患っていて、目が変色しています。獣医師によると、これはもっと早い時期に発症していたということでした。姉妹は視力の低下により地面のにおいを嗅ぎながら歩いたり、物にぶつかったりする行動が見られます。

「複数の疾患を抱えて苦しそうな、たかちゃんとのぶちゃんを見ていると、涙が出てきます。この子たちがなんでこんな目に遭わなければならないのか……。代われるものなら代わってあげたい。言葉がしゃべれないぶん、つらいだろうなと思って」とYさん。とても不安な気持ちで毎日を過ごしているそうです。

失明のリスクを背負うミックス姉妹犬(写真:飼い主提供)
次ページ違う純血犬種同士の交配の功罪
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事