ファストフード市場に"黒船"が相次ぐ理由 日本上陸は大行列の「タコベル」だけではない
こうした市場の変化を先読みして一足先に日本に進出したのが「バーガーキング」だ。同社もタコベルなどと同様、日本から一度撤退したが、2007年に再参入を果たした。
バーガーキングは期間限定メニューの継続的な投入や、日本人の嗜好に合わせたソースの開発、食べ放題のキャンペーンなどで話題性を高め、固定客を獲得してきた。これまで業績は堅調に推移しており、現在は92店まで店舗網を拡大。日本全国への進出も視野に、2017年末には200店体制を築く構えだ。
そして次なる成長に向け、同社が現在注力しているのが低価格帯商品の拡充だ。主力商品の単品価格は500円前後だが、2010年に100円台の単品商品を発売。2011年には500円前後で注文できるセットメニューを投入した。
「日本でリピーターを増やすには、主力商品だけでなく低価格商品も重要だ。幅広い価格帯の商品戦略が、国内での生き残りにつながる」(バーガーキング・ジャパンの村尾泰幸社長)
ブランド価値と客数拡大のバランス
ただし、こうした低価格路線は、マクドナルドが原田社長時代、100円メニューを充実させた戦略とも重なる。一時的に客数は増えたが、客単価が下がったうえ、顧客の滞在時間が延び、店舗の収益性は悪化。外食業界には、これが同社の業績低迷の遠因になったと見る向きもある。
ブランド価値を維持しながら、客層も拡大させる。この2つのバランスを取りながらどう成長の絵を描くのかが、外資系外食チェーンの行く末を左右しそうだ。
(「週刊東洋経済」2015年5月2-9日号<4月27日発売>「核心リポート03」を転載)
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