前原誠司氏「自主防衛が主で、日米同盟は補完に」 「アメリカの抑止力」の後退に備えた対応を

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「専守防衛、非核3原則、積極的平和主義」を貫いてきたわが国の防衛・安全保障は今後どうあるべきか(撮影:尾形文繁)
ロシアのウクライナ侵攻や中国の軍拡など、紛争リスクが高まるなかで、安全保障に対する国民の意識が高まっている。「専守防衛、非核3原則、積極的平和主義」を貫いてきたわが国の防衛・安全保障は今後どうあるべきか。
外務大臣や国土交通大臣を歴任し、現在、国民民主党安全保障調査会長を務める前原誠司氏に、ジャーナリストでノンフィクション作家の塩田潮氏が話を聞いた。(このインタビューは2023年6月1日に行いました)

塩田潮(以下、塩田):現在の日本周辺の安全保障環境をどう受け止めていますか。

前原誠司(以下、前原):中国の軍事拡大、北朝鮮の核ミサイル開発、ロシアのウクライナ侵攻という厳然たる事実を見れば、紛争あるいは戦争リスクが最も高くなっているのは間違いないと思いますね。中国が台湾統一に現実的な意欲を示していること、北朝鮮の兵器開発がアメリカの受容限度を超える可能性が出てきていることの2つがポイントでは。

アメリカの対応が変化

一番大きいのは、アメリカの対応が変わってきたことだと思っています。中国の軍事力増強のスピードに追いつけないのでは、という自覚が出始めて、自分たちだけでは対応できず、同盟国も含めた統合抑止という考え方、体制に変わっている。

中国の習近平国家主席は、台湾統一を領土奪還と考えていて、台湾全土が焦土と化すようなやり方ではなく、「和統」、つまり平和統一を狙っていると思いますね。サイバー攻撃を仕掛けたり、中国の資本が介入した後にごそっと抜けて産業的にダメージを与えたりとか、硬軟合わせていろいろやってくると思います。

ただし、中国、北朝鮮とも偶発的な紛争が一番、危ない。危険な行為による挑発がきっかけになるリスクはあります。特に無人機です。偵察機、攻撃機、潜水艦など、無人のものが引き金になり、偶発的な紛争が、意図せず戦争に発展していく危険性はありますね。

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