2位は太平洋セメント。前期は燃料石炭価格の高騰、中国での不振に苦しんだが、今期はセメントの国内数量増と値上げ効果が寄与。アメリカ子会社の利益貢献も大きく、V字回復を達成する見通しだ。株価も足元で年初来高値を更新するなど、回復局面に入っている。
3位のミンカブ・ジ・インフォノイドは、前期にアフィリエイト収入減と米国株の先行投資が重く大幅な営業減益となったうえ、ライブドアの買収関連費用で経常赤字に陥った。今期はそのアフィリエイトが持ち直すことに加えて、ライブドア買収効果も出るなど、利益は急反発する見通し。ただ、株価の反応は限定的で、四半期業績の進捗状況を見ながらの判断となりそうだ。
大企業でも目立つV字回復ぶり
時価総額が1兆円を超す大企業も数多くランキングに入った。とくに、来期も2桁増益が見込まれるような復調が鮮明な企業は注目だろう。
12位のアイシンの場合、新車減産影響で駆動ユニットが苦戦し大幅減益となった前期から一転して、今期は国内と中国が拡大。北米の採算改善も効いて利益急回復が見込まれる。株価も急反発している。
ガラス最大手の19位AGCも復活ぶりが鮮明だ。前期は巨額の減損損失で大幅減益に甘んじたが、その分、今期から来期にかけての利益の伸びが強烈だ。ガラスは建築用が堅調なうえに、自動車用が値上げ浸透で黒字化。電子のEUV露光用の好調も続き、利益は急回復しそうだ。株価もトレンド転換し、反発姿勢が鮮明だ。
ほかにも時価総額4兆円超えの28位ニデック、29位アステラス製薬が今期急回復の見通しとなっている。また、ランキングにはPER(株価収益率)10倍割れの割安圏にある企業も数多く並んでおり、こうした企業群が見直される可能性もありそうだ。
3月期決算企業を中心に保守的な見通しを示す企業が多い一方、高いハードルを設定する企業も少なくない。期初の見通し開示のタイミングでは、減益予想を発表した企業の株は売られ、増益予想では買われる動きが顕著で、まさに明暗が分かれる場面が多かった。次の四半期業績を確認してから本格的に動意づく銘柄もあるはずで、業績の進捗状況などにも目を配りたい。
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