今期の営業利益が「V字回復」する50社ランキング アフターコロナで急回復する会社はどこか

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今期は業績のV字回復が期待される大企業も多い(画像:tadamichi/ PIXTA)

 日本株への見直し機運が高まっている。東京証券取引所によるPBR(株価純資産倍率)是正策の開示要請や日本銀行の緩和政策維持への期待、“バフェット買い”効果もあり、日経平均株価はバブル後高値を相次ぎ更新する動きとなっている。

会社四季報 2023年3集・夏号
『会社四季報 2023年3集・夏号』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

6月16日(金)に発売した『会社四季報』2023年3集(夏号)では、部品不足や原材料高に苦しんだ自動車など製造業で価格転嫁の進展もあり、増益見通しが目立つ。また、人流回復は鉄道、外食、ホテルなどの復調につながり、これらの企業でも増益予想が多かった。

一方で、資源高の恩恵を受けていた石油・石炭、非鉄金属、商社などでは、資源価格の上昇一服を受けて利益が後退する予想が目についた。

四季報予想を集計した結果、今期(2023年4月期~2024年3月期)の予想営業益は前期比8.9%の増益見通し。製造業の営業増益率が同6.2%にとどまる一方、非製造業はコロナ禍からの本格回復を受ける格好となり、同12.0%の2桁増益となる見通しだ。

四季報では毎号、ランキング特集を組んでおり、夏号ではその1つが「V字回復ランキング」である。前期減益ながら営業利益1億円以上、来期も増益予想、自己資本比率20%以上を条件にしたが、本稿では条件をさらに厳しくして今期予想営業利益10億円以上に絞り、今期営業増益率の高い順にランキングしてみた。

前期の特殊要因なくなり急回復

前期減益に沈んだが今期から回復に向かう企業はどこか。前期は原材料高や中国ロックダウンなどマクロ面のマイナス要因もあったが、ランキング上位企業で目立つのは、特殊要因で前期減益だったものの今期はその要因がなくなるため急回復するタイプだ。

1位は越境ECのBEENOS。前期は投資事業が急悪化したことで利益が大きく落ち込んだが、今2023年9月期はその投資事業が急回復。越境ECも堅調で利益が大幅反発する見通し。ただ、株価の戻りは鈍い。上期段階で利益は急回復しているものの、投資事業に頼らずに柱の越境ECが成長軌道に乗るかどうかを市場は重視しているようだ。

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