コロナも落ち着きを見せた今、いっそグローサラントを組み込んではどうだろう。ファッションや雑貨の買い物をしに来たついでに、グローサラントで軽く食事して帰りたい客はつかめるだろう。ビジネス客もターゲットにできる。安ければなおさらありがたい。会計のついでにスイーツやつまみくらいは買ってくれるのではないだろうか。
③ どこと戦いたい?
都心型のスーパーと言えば、駅ビルに入っている成城石井を思い出す。こちらは高級スーパーの位置づけで、日々のおかずを買うというより、自分へのご褒美として買うのにぴったりのおしゃれデリやこだわり食品が並ぶイメージだ。
銀座と言えばデパ地下、と最初に書いたが、デパ地下も「ハレ(非日常)」と「ケ(日常)」ならハレのほうだろう。ハイブランドショップが立ち並ぶ銀座そのものが、日常生活というよりは特別で非日常な街だ。そこに、日常そのものに寄り添ってきたオーケーが進出するとなると、どこと戦い、その勝利のゴールはどこなのだろう。銀座進出に当たり、何をもって目的達成とするのか最も気になるところだ。
あれこれ考察しているうちに、ひとつ思い至った。安い安いと繰り返してきたが、実はオーケーには「2つの価格」がある。誰もが対象となる価格と、オーケークラブの会員価格だ。会員になると、酒類を除く食料品が、本体価格から3%相当額が割引になる(現金払いのみ)。オーケーの値札にはこの2種類の金額が書かれていて、大きく目立つのは会員価格のほう。このシステムを知らない一見さんだと面食らうものだ。自分は、この安い金額の対象ではないことがわかって。
もちろん、会員にはすぐなれる。入会金や年会費はかからず、割引を受けるのに必要な会員カード(今はスマホアプリもある)の発行費用200円(税込み)のみ。ただし、日々オーケーを使っている客ならともかく、たまたま入っただけなら、まあいいやと見送る人もいるだろう。しかし、銀座に店舗ができればオーケーを知らなかった人も立ち寄り、銀座にはまた来るからと会員になってくれるかもしれない。なにせ東京中から人がやってくる場所だ。ここで会員数が増えれば、今度の出店拡大にもつながる。それがゴールの一つとすれば悪くはない。
オーケー銀座店の開店は2023年秋だという。これまで書いた3つの疑問の答えを探すためにも、ぜひ訪れてみたい。
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