ABABが閉店へ、激安の街・上野は今後生き残れるか エンタメだった「激安」は明らかに変化している

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東京・上野のランドマーク、ABAB上野店(写真:夏夫/PIXTA)

先日、ショックなニュースが飛び込んできた。「ABAB上野店」が2024年6月で閉店するという。

ABABは、言わずもがなの東京・上野のランドマーク。1階から7階まで衣料品や靴・雑貨の店がひしめくファッションビルだ(地下は食品スーパー)。

開業した年を見ると1945年とあり、つまり昭和20年。終戦の年だ。当時の上野と言えば、混沌とした闇市のイメージが湧く人もいるだろう。その面影を今も残すのはアメ横だが、筆者にとって上野は洋服を安く買える場所だった。

HPに掲示されている営業終了のお知らせ

ABAB公式サイトの閉店理由には「建物の老朽化対応並びに耐震措置等のため」とあるが、あらゆるものが値上げする中、もはや「安さ」では勝負できなくなったのだろうか。改めて今の上野、そして今後の上野を見つけに出かけてみた。

上野で激安ファッションを楽しむ、定番コース

上野と言っても、買い物をするならJR御徒町駅、地下鉄だと上野広小路駅で降りる。そこから中央通りに沿って上野公園方面に歩くのがいつものコースだ。

まず激安ファッションの「ハトヤ本店」をのぞき、そのあとABABへ向かう。各階をひやかしながら7階のダイソーまで上がり、帰りはアメ横方面に出て「二木の菓子」でおやつを買って御徒町に戻る。その定番コースが楽しめるのも来年6月までになるとは。

筆者が上野に服を買いに行くようになったのには理由がある。私事で恐縮だが、2013年ごろ激安ネタを紹介するテレビ番組に出演しており、「せっかく安いものを紹介するのだから、安く買った服で出たほうがいいだろう」ということになった。

安い服といっても、誰もが知っているユニクロやしまむらではなく、「へえ、このワンピースが1500円ですか?」と驚かれるようなものがいい。そこで頼りにしたのが上野だった。

先の「ハトヤ」では、店頭に「1000円~」と書かれたPOPとともに大量の服が出迎えてくれる。店内に入ると奥までぎっしりの婦人服が並び、3階までのフロアにトップス、スカート、ワンピース、ジャケット、スーツが所狭しと詰め込まれている。先日訪れたときは4階でセールが開催中で、550円~、700円~といった「3桁」服が選び放題だ。少々「マダム感」を感じる品が多いが、実はそこに安さの理由があるのだ。

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