いつまで続くのだろう、値上げの大合唱は――。
帝国データバンクによると、4月に値上げされる飲食料品の数は5100品目。5月以降も4000品目近くとなる予定だという。今後の値上げの影響により家計支出額が2022年度月平均から1カ月当たり約2140円、年間で約2万6000円増加するとの試算だ。
ちょっと待て。たしか昨年、年間で約6万円増との数字を聞いた覚えがある。となると、昨年すでに月5000円ほど増えており、そこに2023年分が上乗せになれば合計で月当たり7000円もの増加である。
キャッシュレス決済での「ポイ活」
日々ちょこちょこ節約したり、こまめな固定費カットに励んだとしても厳しい数字だ。賃金が上がった方は幸いだが、そうでない家庭はどう対策するのか。
各リサーチ会社が発表しているアンケート調査によると、消費者が値上げ対策として取り組みたいと答えているのは「ポイ活に励む」という方法。支払いの手段をキャッシュレス化することでポイント還元を受け、それを貯めてお金代わりに使うという。
キャッシュレス手段の中でもポイントの高還元率キャンペーンを多発しているスマホ決済アプリの利用が伸びているのは、そういう理由もあるのだろう。先日ある家計節約イベントに参加し、一般の方と情報交換したのだが、そこでも日々SNSをパトロールしてキャンペーンの情報収集に励み、一番お得な決済アプリをキャンペーン期間ごとに使いわけていると話す人が多かった。
それを聞き、筆者としてはやや複雑な気持ちになった。複数のキャッシュレス決済を使えば使うほど、そこに少額の残高が残ってしまいがちだからだ。これは「別の国の小銭がバラバラに貯まっていく現象」に近い。別の国の小銭=別のアプリ残高は同一通貨に合算できないため、残った少額で買えるものが限られる。
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