激安スーパー「オーケー」は銀座で成功できるのか 銀座に出店する目的は?気になる3つの疑問

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縮小

あれこれ大量に買いたかったが、いかんせんこれから電車で帰宅するとなると躊躇する。クーラーバッグなしで精肉や冷蔵スイーツは買いにくい。消費者としてはうれしい売り場のはずだが、この品ぞろえはもったいないなあと痛感したのものだ。

それから数年がたち、今やこの渋谷本店の地下は様変わりしている。ワンフロアが食品コーナーであるのは変わらないが、その半分の面積を占めるのはアルコールやドリンク類。残りの半分が食品だが、いわゆる生鮮品や冷蔵品はずいぶん縮小された。相変わらず肉や日配品は安いし、ドンキPBである「情熱価格」ブランドの食品は思わず手が伸びる魅力的な安値だ。しかし、この縮小ぶりを見ると「道玄坂で肉のパックを買って電車に乗るのもなあ……」と迷う利用者は多かったのだろう。

お菓子や弁当、総菜類などすぐに消費するものなら買ってもいいかもしれない。ただし、スーパーサイズの生鮮食品を買うだろうかと考えると、オーケー銀座店では客に何を買ってほしいのだろうか。2フロアもあるという品ぞろえを見守りたい。

② 誰に買わせたい?

次に、来店を期待している客は誰なのか。オーケー公式サイトの告知には「銀座という注目度が高い立地での出店を通して、地域にお住いのお客様、近隣の業務用のお客様、銀座にお買物や仕事帰りに来られたお客様に、広くご利用いただけるお店を目指します」とある。

先に書いたように、“銀座にお買物や仕事帰りに来られたお客様”では、買えるものは限られるだろう。アイスクリームは買えないし、いくら安くてもキムチを買って電車に乗る勇気は湧かない。地域にお住いの方がどの程度いるかはわからないが、もしこれがタワマン併設スーパーならかなり喜ばれるだろうが、今回出店するマロニエゲート銀座は残念ながらファッションや雑貨、100均が入るビルだ。

残るは“近隣の業務用”だが、実は銀座には他にスーパーがある。新橋寄りの「肉のハナマサ銀座店」だ。小売りもするが、本来は業務用スーパーで、ナショナルブランド品の扱いより特大サイズのPB食品が目立つ。むろん、割安だ。対して、オーケーは一般消費者用サイズとなるだろうから、業務用として近隣店舗の需要を満たせるかはわからない。

そこで思い出したが、新型コロナの流行以前にスーパーで「グローサラント」という動きが広がり始めていた。グロサリーとレストランを合わせた言葉で、簡単にいえばスーパーの売り場にある食材で作った料理を提供する飲食業態だ。グローサラント用に飲食スペースを広めにとったスーパーも増え始めていたのだが、コロナの影響で外食そのものが自粛に追い込まれ、イートインスペースも閉鎖の憂き目にあったのはご存じの通りだ。

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