高湿度・寒暖差が原因「梅雨バテ」治す食材&ツボ 疲労原因、五臓六腑の「肝」を休める養生法

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梅肉エキスには、このムメフラールやクエン酸をはじめとする梅の有効成分が凝縮されています。梅干しよりも強力な殺菌作用があり、整腸作用にも優れた梅肉エキスは、昔から体調がすぐれないときの万能薬として、重宝されてきたのです。

寝ても疲れが取れない日々が続いているときに、寝る前に摂るといいでしょう。ただし、歯についたままだと酸で歯が溶けるおそれがありますので、摂った後は最後は歯みがきやうがいをするなどしてください。

民間薬「梅肉エキス」の作り方

梅肉エキスは自然食品店やネットなどでも購入できますが、自分でも作ることができますので、ぜひトライしてみてください。

梅は青梅を使い、黄色っぽく熟した梅では作れません。梅は金属を腐食させますので、ホーローや陶製の鍋を使うようにしてください。

■梅肉エキスの作り方
1.青梅をきれいに洗い、キッチンペーパーでしっかり水気を取る
2.半分に切って種を取り除き、実を擦りおろす。またはフードプロセッサーで細かくする。
3.手ぬぐいなどに入れて汁を絞る
4.絞った汁を鍋に入れて、弱火で焦げつかないように煮詰める。色が黒くなり糸を引くような状態になったら完成

以下は、梅肉エキスの具体的な使い方になります。

■腹痛、下痢、便秘なら「梅肉エキスを飲む」

強力な殺菌作用がある梅肉エキスは、昔から食あたりや赤痢、コレラなどの伝染病予防に使われてきました。 腹痛や下痢には、エキスを少量なめるだけで効果があるといわれています。

腸の働きを整えるので、便秘にも有効です。直接なめるのが苦手な場合は、お湯で割って飲んでもOKです。

■喉の痛みなら「梅肉エキスのお湯割りでうがい」

かぜなどで喉が痛いときは、ぬるま湯で5~10倍に薄めた梅肉エキスでうがいします。強力な殺菌効果が働き、効果抜群です。

「梅雨バテ」に有効な2つのツボ

最後に、急な変化に対応する肝の働きを助けるツボを紹介します。

■太衝(たいしょう)

肝の経絡のなかでも重要な働きがあるツボです。精神的ストレスを感じたり、足が冷えたりするときにもよいツボです。気持ちよく感じる強さでゆっくり5回くらい押してください。

■十宣(じゅっせん)

手指の先端にあるので、この名がついています。楊枝の反対側など、先端が少し尖ったもので刺激する、あるいは親指と人差し指でつまんで押します。親指から人差し指、中指と、小指まで刺激をしていきます。

(イラスト:おおしま/PIXTA)
平地 治美 薬剤師、鍼灸師。 和光鍼灸治療院・漢方薬局代表

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ひらぢ はるみ / Harumi Hiraji

東洋鍼灸専門学校非常勤講師、日本東洋医学会代議員。朝日カルチャーセンター、津田沼カルチャーセンターなどで漢方関連の講座を担当。明治薬科大学薬学部卒業後、漢方薬局勤務を経て、東洋鍼灸専門学校に入学。漢方治療の大家である寺師睦宗氏に漢方を、石原克己氏に鍼灸を、クリシュナU.K氏にアーユルヴェーダ医学を学ぶ。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る・動かす・食べるで健康になる』(日貿出版)など。You tube「平地治美・漢方チャンネル」も開設。ブログ「平地治美の漢方ブログ」。

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