TikTok「高齢者インフルエンサー」増えている実情 91歳、老人ホーム住まいの女性にもスポンサー

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これこそ、ニュージャージー州ホルムデル在住の66歳、リン・ヤマダ・デイヴィスが発見したことだ。彼女は2020年のパンデミックによるロックダウン中、映像作家である息子の撮影技術を維持するために「Cooking With Lynja」という動画を作り始めた。半年も経たないうちに、約100万人が彼女の風変わりなコンテンツをフォローするようになり、最初のスポンサーが彼女に連絡を取ってきた。

「私たちに無料のエアフライヤーが送られてきたんです」とヤマダ・デイヴィスは言う。「とても興奮しました!」

彼女と息子が一緒に仕事をしたいブランドに打診してみると、数社から返事が来た。「動画を撮るために5000ドルが支払われたときは、感激しました」とヤマダ・デイヴィス。彼女は年金と社会保障から退職金を受け取り、TikTokの収入を折半している。

現在は1500万人以上のフォロワーがいて、自分のために交渉してくれるエージェントもいるとヤマダ・デイヴィスは言う。彼女と息子は、1本の動画を作ることで5万ドルを稼いでいた。

「私はずっとオタクでした」。引退したソフトウェア・エンジニアであるヤマダ・デイヴィスは言う。「今では、スターバックスにいるときに人から気づかれることもあります」。

詐欺師が現れる場合も

商品プロモーションビジネスを構築しようとするクリエイターには、潜在的な危険がある。クリエイターを指導するマーガレット・ボーンによると、詐欺師がブランドの代表者を装ってクリエイターにサンプルの発送費用を要求したり、個人情報を聞き出したりすることがあるという。詐欺の場合、大袈裟で職業上の規範に反する言葉遣いやスペルミスのあるメッセージがあることが多く、たいてい無名のブランドや企業から送られてくるという。

また、クリエイターはスポンサー付きのコンテンツと自分自身のコンテンツとでバランスを取る必要がある。ユーザーからすると、コマーシャルばかりが流れるフィードは見たくないからだ。そう話すのは、サンディエゴ在住の59歳のコメディアンで俳優のリサ・ペダスだ。

彼女は、パンデミックの間に創造性のはけ口として、また視聴者とつながる手段としてコンテンツを作り始め、今では75万人のフォロワーを持つ。ペダスはアマゾン・プライムやヴァレンティノなど、さまざまなブランドに起用されている。

次ページ高齢クリエイターにはもってこいの時代
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事