TikTok「高齢者インフルエンサー」増えている実情 91歳、老人ホーム住まいの女性にもスポンサー
ジェニー・クルパのTikTok動画では、彼女の隣人が怪我をしていた。クルパの関心? それは「救急隊員がハンサムかどうか」を確認したいということ。別の動画では、自分と突然別れて連絡してこなくなった男性に、TikTokで有名になったこと、そして(自分と別れたことは)「本当に大失敗だった」と知らせている。
親友と喧嘩して「逮捕」されるという馬鹿げたシナリオの動画は、実はパラマウント・ピクチャーズの映画「80 for Brady」の宣伝投稿だった。TikTokのインフルエンサーであるクルパは、パラマウントと契約を結んでいる。
高齢者のインフルエンサーに関心集まる
だが、クルパは誰もが思うような典型的なソーシャルメディアのインフルエンサーではない。老人ホームに住む91歳で、200万人のフォロワーを集めているのだ(彼女の孫である23歳のスカイラー・クルパが、動画の制作を手伝っている)。
アルバータ州在住でファンからは「J-Dog」として知られているジェニー・クルパは、数多くのフォロワーとともに現実離れした世界に身を置いているが、TikTokで広告を作成している高齢のクリエイターは彼女だけではない。衣料品や美容製品などを販売する企業は、一緒に仕事をしたいと思う定年退職後のコンテンツクリエイターをほかにも発掘している。
TikTokが高齢ユーザーを集める中で、ブランドは影響力のある高齢者をウォッチしている。そう語るのは、企業とコンテンツクリエイターをつなぐインフルエンサーマーケティング会社オブビアスリーの創業者、マエ・カルウォウスキーだ。同社はアマゾンなどと協力し、55歳以上のTikTokインフルエンサーの発掘に勤しんでいる。