想像を超えた!アップル「新型ゴーグル」の真価 他製品を圧倒する完成度で新ジャンルを開拓

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これらの”柔らかなつながり”は、Vision Pro内における視野の限界領域でも感じられる。Vision Proの有効視野(FOV)は90度程度と決して広くはないが、実は設計値としては100度近い広さを持っているという。

90度(左右45度)の限界線に視線を持っていくと、映し出された空間がボカされつつ、フェードアウトするように視野の外(黒く落ちた領域)につながるようになっている。パツンと突然、表示視野が途切れないように作られているのだ。

90度程度のFOVと聞くと、専門的知識を持つ人たちは「狭い」というだろう。しかし自然なつながりに加え、目の前に広がる圧倒的な情報量の映像が、さして注視することもない周辺視野の狭さを忘れさせてくれる。

自然な現実空間と仮想空間のミックスを実現しただけでなく、それ以前に表示品質が極めて高いことに驚いた。画素を感じさせる”メッシュ感”がまったくなく、斜め線がギザギザに見えるジャギーも感じない。

体験は英語モードで行ったため、漢字などの複雑な文字は表示させていないが、Webブラウザを適度な距離に配置して閲覧するに当たり、まったく不具合は感じなかった。フォントの形状も美しく滑らかで、繊細なテクスチャも空間の中に鮮明に映し出される。

Bluetoothでキーボードやトラックパッドを接続すれば、そのまま文書やスプレッドシートの作成を行うことができるだろう。その際も、実空間の映像に歪みがないため、違和感は覚えないはずだ(なお、基調講演でデモされた仮想キーボードの体験はなかったため未見だ)。

想像をはるかに超える完成度の高さ

Apple TV+の4K映像コンテンツをシアターモードで視聴していると、まるで4Kプロジェクターでの映像のようだ。階調も豊かで、Vision Proで芸術性の高い映像作品を観たとしても、その画質に不満は感じないだろう。

正直に告白するならば、Vision Proを実際に体験する直前まで、ここまで完成度を高められているとは想像もしていなかった。

新しいジャンルのハードウェアであるため、当然、その注目はハードウェアの品質や性能、使用感に集まるが、ハードウェアの品質はもちろん、組み込まれているソフトウェア、とくにvisionOSと名付けられた基本ソフトの完成度に驚きを隠せなかった。

まだ触れていなかったが、ファブリック製の装着バンド(サイズは3種類、製品版では増える可能性がある)は柔らかく、細かな調整が可能だ。動いてもズレないよう頭頂部をサポートするバンドが付属する(基調講演とその後の展示会場では装着されていなかった)が、本体が顔に触れる部分も含めて快適だった。

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