視線追跡の精度は高く、さほど大きくない操作ボタンも造作なくポイントできる。カーソルなどはないが、見つめていれば、操作可能なボタンなどがほんのりと動いてサイズが変化する。パソコンやスマートフォンの操作に慣れている人ならば、とくに説明を受けなくとも直感的にあらゆる操作を行えるだろう。
本体には2つの操作要素が備えられており、右上にDigital Crown(Apple Watchの側面にある竜頭と同様のもの)、左上にシンプルなボタンがある。左上のボタンは目の前の映像を立体写真や立体動画として記録するためのもので、一方のDigital Crownはさまざまな用途に用いる。
Digital Crownをワンクリックすると、iPhoneの「ホームボタン」と同様の操作になる。長押しすれば、正面位置を補正する(ホーム画面を表示する位置を変える)ことができる。
Vision Proには、内蔵カメラとToFセンサー(距離を面で計測する装置)でとらえ、本体内で再構築された現実空間に即した映像が表示されるが、ホーム画面にはその空間に浮かび上がるように、アイコンや操作に関連した要素が配置される。指でつまむ仕草をしたうえで、そのまま左に弾けばスワイプ操作となり、別のアイコンが並ぶページへと切り替えることができる。こちらもiPhoneを使ったことがあるなら説明不要だろう。
現実空間の再現に不自然さがまったくない
特筆しておきたいのは、現実空間を再現する際の”つなぎ目”がわからないことだ。
Vision Proでは、現実空間を数多くのカメラでとらえた映像をつないで立体的に再現しているが、それぞれの景色は肉眼とほぼ同じ大きさ、パース、距離感で再現される。
色やトーンの違いから、それが虚像であることは認識できる。しかし頭の動きに対して、映像の遅れやつなぎ目の不自然さがないため、まったく不安を覚えることなく行動できるのだ。
Vision Proを装着したまま、たとえば目の前にあるグラスを手に取ったり、ペンでメモを取ったり、といった作業もできるほどだ。椅子とテーブルの隙間をすり抜けて行けるのはもちろん、部屋を歩き回ることに怖さも感じない。
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