三井物産、「軍団長」を自称する新社長の覚悟 「考え抜いて、やり抜いて、結果を出す」

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”若さ”が注目される安永新社長だが、大事なのは「プロフェッショナルであるかどうか」と語った
役員序列を“32人抜き”する抜擢で話題となった三井物産の社長人事。原油や石炭、鉄鉱石など資源価格が軒並み下落する中、新経営体制ではどんな戦略を描いているのか。4月に就任したばかりの安永竜夫新社長に話を聞いた。

 

――戦後の三井物産で史上最年少(54歳)での社長就任となった。

次期社長を言い渡されたときは準備も覚悟もできておらず、正直なところ頭の中が白紙になった。それから2ヵ月半経って、自分なりに覚悟を決めて経営をしている。当社はより柔軟に時代の変化に合わせた会社の経営をやっていく必要があり、若返りは1つのメッセージになる。

アメリカや中国、東南アジア、ロシアなどでプラントの仕事をやってきたが、海外では40代や50代の社長なんて当たり前。プロフェッショナルであるかどうかが大事で、年齢は関係ない。”若さ”を活かして、率先垂範して海外企業のトップと関係を作り、直接交渉でネットワークをどんどん広げていきたい。

もともと日本企業はミドルアップ・ミドルダウンと言われているが、これから会社全体を動かしていくには、トップダウンが不可欠だ。

――原油価格の急落など、外部環境の変化が逆風となっている。

商社はものすごくリードタイムの長い仕事をやっている。私自身、サハリンⅡのLNG(液化天然ガス)プロジェクトを手掛けてきたが、1980年代から着手して、最終的に投資の意思決定をしたのが2000年代の初めだ。その間に当然、エネルギー価格は騰落したし、経営幹部も代わった。

資源が安ければ実は「買い時」

だからといって経営方針を変えたら、このような大型案件はできない。私の役割は先人のたすきをつなぎつつ、目の前にあるディールフロー(投資案件)の中で、いい案件を選別してきちっとまとめていくことにある。

現時点で言えば、金属、エネルギーの資源価格が下がっており、コストダウンをより進めていかないといけない。ただ、投資をすべて資源以外に回すかというとそれはありえない。今までやってきた米国のキャメロンLNGプロジェクトは仕上げないといけないし、モザンビークのモアティーズ炭鉱とエリア1鉱区のLNG開発は実現に向けてしっかりと進めていく。

――市況が悪くなれば権益を売却することもあるのか?

資源価格が安くなったら実は買い時だと思っている。資源は掘ればいつかはなくなるので、生産した分、新しい権益を確保していく必要がある。タイミングを見てより安く、良質な権益にポートフォリオを見直していくことは常に考えている。

こういう時期だからこそ、(2014年12月に)モザンビークのモアティーズ炭鉱の権益に参画できた。それをしっかりお金にするためには鉄道などのインフラ整備が欠かせない。

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