三井物産、「軍団長」を自称する新社長の覚悟 「考え抜いて、やり抜いて、結果を出す」

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モザンビークでのLNGプロジェクトも、政府による法的な整備はきちんとやっていただいているし、お客様と販売数量の確保ができて、長期的な採算が取れることが見えれば先に進む。2015年中のFID(最終投資決定)を目指して、いままさに最終コーナーを回っている。鉄鉱石では豪州のジンブルバー鉄鉱山も開発しており、資源投資で手控えている認識はない。

――手薄な資源以外の事業投資をどう強化するのか。

東南アジア最大の病院グループ・IHHは投資してまだ5年目だが、株価ベースで企業価値は2倍以上と着実に成長している。今後は同社を舞台にして、生体肝移植など日本の高度医療を輸出し、マレーシア、シンガポール以外にも展開していきたい。IHHというプラットフォームを手に入れたことで、これまでとは次元の違う仕事ができるようになった。

こうした“ゲームチェンジャー”になる案件が、資源以外の分野にも出てきている。モビリティでは、(今年3月に)全米1、2位を争うトラックリース会社へ約900億円の投資をした。われわれの北米事業と統合することで、顧客基盤を厚くしノウハウのいいとこ取りをする。商用車のビジネスが変わってくるはずだ。

投資の課題は”衣食住”

やすなが・たつお●1983年三井物産入社。プロジェクト開発部や経営企画部長、機械・輸送システム本部長を経て2015年4月から現職。

IPP(独立系発電事業)でも、すでに三井物産は日本有数の事業者になっていて、海外勢の力を借りずに開発する力ができてきている。今後はオペレーター(プロジェクトの主体)になることも含めて資産規模を拡大していきたい。資源価格の下落局面では、こうした下振れの少ない収益基盤をいかに伸ばせるかが、間違いなく重要になってくる。

課題となるのは衣食住のまさしく“川下分野”で、今後は経営と現場が一体となってやっていきたい。食や農でいい案件があればやりたい。ちなみに、「衣」についてはポールスチュアートを(2012年末に)買収していて、今日もしっかり着ている。サスペンダーがかわいいと言われている(笑)

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